トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事
【格闘技】大みそか 戦極消滅 Dynamite!!が吸収2009年11月26日 紙面から
今年の大みそか格闘技イベントが一本化されることが25日、正式に決まった。当初別会場で行われる予定だったDREAM・K−1系の「Dynamite!!」と、北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト石井慧のデビュー戦を目玉にした「SRC(戦極から改称)」の関係者が、都内で開いた合同会見で概要を発表した。大会名はDynamite!!で、さいたまスーパーアリーナで開催。事実上、SRCが吸収される形になった。TBSが地上波中継し、内容はDREAMとSRCの全面対抗戦が中心。石井×吉田秀彦、魔裟斗の引退試合も予定通り行われる方向。 TBSとともにDynamite!!を主催するFEGの谷川貞治代表、SRCを運営するワールドビクトリーロード(WVR)社の稲村角雄営業統括本部長らが一堂に並んだ会見の壇上。稲村本部長が神妙な顔つきで切り出した。「準備をしていただいた関係者やファンにおわびをしたい」。このひと言が、SRC側の立場を表した。 当初はDynamite!!がK−1のカリスマ・魔裟斗の引退試合をメーンにさいたまSAで、SRCが石井×吉田戦を目玉に東京・有明コロシアムで、それぞれ大会を行うことを発表。格闘技界で大みそかに複数のビッグマッチが行われるのは毎年の恒例だっただけに、今年も興行合戦になると思われていた。それが、すでに両大会ともチケットを売り出し、当日まで残り1カ月あまりになった時点での合体。 FEG・谷川代表は「もう一回、格闘技界の底力を結集して皆さんに見せつけたい」と、合体への経緯を説明。それによると、谷川代表がSRCのスポンサーであるディスカウントチェーンのドン・キホーテに合同開催を持ちかけたのは、10月末ごろ。SRCはすでに有明開催の準備を進めていたが、興行の厳しい現状を補い合うためにゴーサインとなった。 すでに売り出されたSRCのチケットは、払い戻しやDynamite!!のチケットと交換できるよう調整が進められている。だが、SRCのチケットを買っていたファンが、すでに売り出し中のDynamite!!で希望する席を買えるのか−。ファンにとっては不安は大きく、今後も混乱が予想される。 稲村本部長は「共同参加の一番の目的は総合格闘技を盛り上げる切っ掛けにすること」と話し、谷川代表も「これからも、盛り上がるならいいお付き合いを」と強調した。大みそか以降は、DREAMとSRCが協調しつつ、これまで通り独自に大会を行っていくという。 (石川晴信)
|