【ワシントン斉藤信宏】米道路交通安全局は25日、トヨタ自動車が、米国内で販売した高級車「レクサス」の暴走事故などを受けて、8車種計426万台(11月15日現在)を対象にアクセルペダルの形状を変え、無償で交換する措置を実施すると届け出たと発表した。トヨタの米国法人、米国トヨタとしては過去最大規模になる。
対象車種は「レクサスES350」(07~10年型)のほか、トヨタブランドのハイブリッド車「プリウス」(04~09年型)や「カムリ」(07~10年型)など計8車種。一部の対象車については、フロア面の形状を変える修理も実施する。
運転席に敷かれたフロアマットが、運転中に外れてアクセルペダルの操作を妨害し、深刻な事故につながる恐れがあるとして、トヨタは10月から顧客にマットの取り外しなどを求める安全対策を実施していた。問題発覚時には、対象車を380万台としていたが、その後に生産・販売された分も含めた。
トヨタは無償で、アクセルペダルを短いものに交換。床板との距離に余裕を持たせ、二重に敷かれたとしても引っかからない形状にする。費用は数百億円規模になる見通し。
フロアマットは米国製で、トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、事故の一因とされる厚みのあるマットを使用していないため危険性はないと判断しており、対象にはしない方針。
毎日新聞 2009年11月26日 東京朝刊