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ミスで「つくる会教科書」発注 学校負担で別の本購入へ

2009年11月25日

 私立明星(みょうじょう)学園中学校(東京都三鷹市)が来年度使う歴史教科書を、本来採択したものではなく、間違って、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の自由社版教科書として都教育委員会に報告していたことが分かった。義務教育の教科書は、無償で児童・生徒に渡されるが、手続きが進んでいるため変更できず、同校は自費で教科書を購入するという。

 明星学園中は、文集「山びこ学校」を編んだ無着成恭さんも教頭を務めるなど、リベラルな校風で知られる。同校によると、7月上旬、来年度以降の社会科歴史的分野の教科書に日本書籍新社版を採択した。しかし、都教委の専用サイトにパソコンから報告する際、クリックミスして「自由社」を選び、1年生と教員分の計150部を「発注」した。今月20日に同社から問い合わせがあり、初めてミスに気づいたという。都教委に問い合わせたが、「もう変更はきかない」と説明された。

 無償教科書は毎年9月中旬までに各都道府県教委が翌年度の各校の使用予定数を「需要数報告」としてまとめ、文部科学省に提出する。

 確定数を書店などに正式発注するのは翌年3月だが、文科省は、市町村合併での採択地区変更や私立学校の新認可の場合などを除き、「需要数報告」の変更を認めていない。同省教科書課によると、採択したものと別の教科書を届け出てしまった例は「聞いたことがない」という。

 河住貴夫教頭は「採択していない教科書を使うわけにはいかない。どのくらい費用がかかるか分からないが、学校として購入したい」と話した。(石川智也)

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