【ソウル=牧野愛博】小学校の入学年齢の1年前倒しや、韓国への移民奨励による「韓国人増加プロジェクト」――。出生率の低さに悩む韓国政府が25日、思い切った改善策の検討に乗り出した。今後、実際に導入できるかどうか検討する。
大統領直属の未来企画委員会が同日、こうした方針を確認した。2011年から15年にかけた「低出産基本計画」への導入を目指す。
入学前倒し政策は、子育て負担を減らすとともに乳幼児の育児強化につなげる狙い。「増加プロジェクト」は高学歴の外国人らがターゲットで、韓国籍を取りやすいよう、複数国籍の許容範囲を広げることも検討する。育児サービスの充実や3人以上の子どもを持つ家庭への優遇策などを進めるという。
韓国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は70年当時で4.53あったが、08年は1.19。日本の1.37より低く、世界的な最低水準にあえいでいる。戦略会議に出席した李明博(イ・ミョンバク)大統領は4人の子持ち。「国の未来を考えた場合、解決すべき国政課題の一つ」と訴えた。