最終更新: 2009/11/25 14:15

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「事業仕分け」後半戦 鳩山首相が初視察 傍聴人が農水副大臣に詰め寄る場面も

2010年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の後半戦が24日から始まった。後半戦初日は、鳩山首相が初めて視察に訪れるほか、傍聴していた一般の男性が、山田農水副大臣に詰め寄る場面もあった。
事業仕分けの後半戦が24日から始まった。
民主党の蓮舫議員らのチームの最初のテーマは、およそ37億円を要求している自衛隊の広報・募集事業。
防衛省担当者は「多くの国民にとっては、自衛隊は何をやっているのかというのが、正直なところだと思います」などと説明した。
その意義を説明する防衛省の担当者に、仕分け人からは「12分たっています。事業仕分けでございますので、意義目的については簡略に。そして、事業の中身についてご説明いただくという形で、簡潔にお願いしたい」とクレームがつけられた。
23日、休日返上で陸自の広報センターを視察した蓮舫議員は、施設の入館料や催しが無料である点について問題視した。
蓮舫議員は「有料にしたらお客さんが来なくなるのは、本当にそうなのだろうか。例えば、有名なテーマパークは、家族4人で行ったら、数万円を超えてもリピーターがあとを絶たない。工夫というものがまずあるべきだと思いますが」と追及した。
これに対し、防衛省担当者は「有料化は、われわれにプラスに働かないので、ほかの面で効率化したい。われわれは努力が足りません。いっそう努力しないといけないと思います」と語った。
また、蓮舫議員は「努力が足りないとおっしゃっていたが、足りない部分をどうやってこの予算で埋めていこうとされているのか?」と、努力不足を認めた防衛省の役人を、なおも問いただした。
防衛省担当者は「維持経費ゼロと言われると、たち行かなくなるということはご理解をいただきたいと思います」と苦笑いした。
蓮舫議員は「大変申し訳ないんですけど、笑って終わる話ではないんですよね」と述べた。
そして、チームの結論は「10人が予算削減、入場料の徴収を含め、民間委託を考えていただきたいという意見」としたうえで、「施設に関して、予算削減要求」という結果となった。
さらに、防衛省は、続く「国際平和協力センター」の建設事業でも、「廃止」を求められた。
この結果を受け、防衛省の担当者は「施設の必要性は変わらないと思うので、何とか、結論はともかく、引き続き必要性について、財務省などに説明したい」と語った。
また、蓮舫議員を見に来た小学生は「いろんな意見があって、とっても面白かった。蓮舫さんがちょっと厳しかったけど、いろんなところに鋭く突いていたので、とってもよかったと思います」と語った。
また、午後2時、鳩山首相が初めて事業仕分け会場を訪れた。
仙谷行政刷新担当相らと、3つの会場を視察した。
1テーマ・1時間の制限時間に疑問の声が上がっていることについて、鳩山首相は「やはり、百聞は一見にしかずで、みんなご覧になったほうがいい。やりとりは非常にテンポが速いですから、1時間くらいあれば、かなり本質的な議論ができるのでは」と述べた。
一方、国民新党の亀井 亜紀子議員が、事業仕分けデビューした。
亀井議員は、亀井久興前幹事長の長女で、2007年の参議院選挙で初当選した1年生議員で、民主党主導で行われている事業仕分けに反発した亀井静香代表が送り込んだ。
国民新党の亀井代表は「亜紀子さんが、女性の感性で、いい働きをしてくれることを期待する」と述べた。
亀井議員が担当したテーマは、およそ5億円を要求している国交省所管の「北海道総合開発推進調査事業」。
亀井議員は「国が率先して、北海道を開発してあげる時代はもう終わったと思う。自治体に任せた場合、逆にどんな問題点、障害があるか?」と質問、説明人の国交省担当者は「やはり、国の役割はゼロにはならない」と語った。
結論は「自治体の判断に任せる」だった。
この結果について、北海道選出で新党大地の鈴木宗男議員は「やっぱり、国が判断することであって、自治体の判断に任せるったって、国の政策について、自治体がもの言えないですよ。仕分け人の人たちも少し勉強してほしいのが、財務省の手のひらに乗ってますね。無駄はなくしたほうがいいです、無駄は。ただ、必要なものは、やっぱりきちっと(予算を)つける」と述べた。
その後も、仕分けは、農林省所管の事業などで作業が続き、第3会場で思わぬことが起きた。
仕分け終了後の午後0時30分ごろ、傍聴に来ていた一般男性が、山田農水副大臣に詰め寄る場面があった。
男性は「政権が代わったら、染まってきたように見えるんだよ。政権交代したんだから、何かが変わってくれると国民が期待している」と語った。
これに対し、山田農水副大臣は「いっぺんに変えるわけにはいかない」と反論したが、男性は「いくわけないじゃないか、染まらないで、染まってます、今」と語った。
山田農水副大臣は「(傍聴人から厳しい意見が出たが?)ああいう人もいて当然じゃないか」と述べた。

(11/24 18:44)


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