鬼畜眼鏡

唐突に鬼畜眼鏡にはまったがゆえに作ったブログ。 ちなみにメガミドが一番好き。 …というか受けみどさんとW克哉が好きなだけだったり。 SS書きたいですが文章最近書いてなくて荒れてるので、 当面はお勧めのSSの紹介をしていきます。

みどさん酔う

初SSです。
恐ろしいほどにフライングな一品。
みどさんが飲み会に行って酔います。
なんかノマのキャラがうまく掴めません・・・・・・

それでは下からどうぞ↓

――――


ビールのジョッキを手にしたまま、克哉は隣に座っている御堂の顔色を伺った。
「あの、御堂さん」
「何だ」
こちらをちらりとも見ない動作に御堂の苛立ちを感じて、克哉はちぢこまった。
「……すいません」
「君のせいではない」
周りにいるMGNの社員に聞こえないように、小声で会話する。


本当なら、今日は二人きりで過ごすはずだった。

 



――――


仕事も終わりに近づき、これからの二人きりの時間を楽しみにしていた時、同じ職場の仲間に話しかけられた。
「佐伯、これから予定あるか?」
「え?……いや、ない……けど」
とっさにそう答えてしまったのはなぜだろうか。
なんとなく『恋人と過ごす』と答えるのが恥ずかしくて、ごまかすように予定などないと言ってしまった。
「じゃあ飲みに行かないか?今日はお前の誕生日だったろ?忘年会も兼ねてみんなで祝ってやろうって話が出てるんだよ」
この流れはまずい。経験的にそれがわかった。
「そんな、悪いよみんなに……」
きっぱり断るなんて自分には出来ないから、できるだけやんわりと断ろうとしてみる。
「そんなことないって。気づいてないかもしれないけど、お前は意外と人気あるんだぞ?みんな祝ってやりたいと思ってる」
「でも、今からじゃこの時期はどこも予約でいっぱいじゃないかな……?」
不可能ならいいと、淡い期待を込めて言ってみる。
「気にしなくていい。実は半月前から予約してある店があるんだ。お前が来ないならただの忘年会にする予定だったしな」
そこまで言われたら断れない。そんなに前から準備してある好意を無碍にするなんて……
「……わかった。ありがとう、行くよ」
「おう。楽しみにしてろよ?みんなプレゼントとか用意してるからな」
楽しげに去っていく背中を見て、克哉は小さくため息をついた。
……御堂さんにどう説明しよう。

 

「というわけで、今日は佐伯の誕生日を祝う飲み会をするんですけど…御堂さんはどうしますか?」
「参加させてもらう」
書類から顔をあげることなく即答した御堂に、周りの職員がざわめいた。
『あの御堂部長が飲み会に参加するなんて』『信じられない』という類の言葉が飛び交う。
「なんだ。私が部下の祝い事に参加するのはそんなにおかしなことか?」
微かに不機嫌そうに顔を上げると、ぴたりと話し声がやんだ。
「いえ、あの……みんなめずらしいと思っただけだと思いますよ。わかりました。御堂部長は参加ですね」
逃げるようにメモに書き込み、飲み会の幹事は御堂の前から退散する。
『初めてじゃないか?飲み会に参加してくれるなんて』『まさかあの御堂部長がねえ』『佐伯君パワーかしら』さっきよりも気持ち大きめに再び話し出す部下たち。

誕生日の飲み会か。どうせ断り切れなくて巻き込まれたんだろう。そのくらいはわかる。
だが、やはり二人きりで過ごしたかった。適当なところで理由をつけて克哉を連れ出すつもりだ。
克哉は酒に強いほうだから、ほとんど酔ったりしないでちゃんと自分の意図を察して協力してくれるはずだ。
「……ふむ」
今日はできるだけ仕事を片付けておこう。やりすぎたら明日の仕事に響くかもしれない。


――――


『かんぱーい!』
ガチン、とジョッキ同士をぶつける音が響く。
予約したというだけあって、ちゃんと部屋を一つ確保してあった。
「いやー、それにしても御堂部長が参加するなんて意外でした」
真っ先にビールを飲み干した男が口火を切る。
「なんていうか、こういう……安っぽい所にはこないのかと思ってましたよ」
「あ、わかるわかる!御堂部長ってバーとかでワイン飲んでそうですもん」
「っていうか、なんで今回は参加しようと思ったんですか?」
「やっぱり佐伯君パワーですか?」
追加の酒を注文しつつ、飲み終わった人からどんどん会話に便乗してくる。見ればもともと酒には強くないのか、饒舌に話しているうちの大半はすでに酔っ払い始めていた。
「まあ、そんなところだ。彼がいないなら今日も私は参加しないつもりだった」
言ってからぽんぽんと隣にいる克哉の頭を叩いて、自分も少し酔っているらしいと自覚する。普段ならこんなことはしない。
「それにしても、御堂部長って佐伯君が来てからなんか柔らかくなりましたよねー」
「確かに。前は誰かミスすると睨む感じだったのが、さりげなくフォローとかしてくれるようになりましたし」
「どっちも上司としてはすごく有能で頼れるんですけど、私は今のほうが好きですよ」
「これってみんな佐伯君のおかげかなー?」
「はいみんな佐伯に拍手ー!」
いえーい、という声と拍手が重なる。完全にみんな宴会モードに突入していた。
「あの……その、そこまでいわれるほどのことじゃ……」
「いや!いわれるほどのことだ!」
「そうだ!」
謙遜しかけた克哉を、みんながもちあげる。
「御堂部長は飲み会に参加しないことで有名だったんだ!もちろん上司からの誘いには応じてたらしいが、部下との飲み会に参加してくれるなんて…今日が始めてなんだぞ!?」
「え?そうなんですか?」
こっちを向いた克哉に頷いてみせる。
「私はそこまで強いほうではないからな……それに、酔って騒ぐ、というのが合わないんだ」
「……すいません」
「そこは謝るところではない。私は自分の意思で参加したんだ。……言うなら『ありがとう』あたりにしておいてくれ」
「はい。オレの為に苦手な飲み会に参加してくれてありがとうございます」
赤くなりながら言う克哉が可愛くて、ぐしゃぐしゃと頭を撫でる。どうやら本当に私は酔っているようだ。
『ここで、佐伯克哉君へのプレゼントターーーーイム!』
いつの間に用意したのか、マイクを持っていた男が叫ぶ。
……待て、プレゼントだと?
『はいみんなさっさと出して出してー。駒井雄太歌いまーす、佐伯克哉くんに捧げる誕生日の歌!』
プレゼントなんてこの場には用意していない。二人の時に渡すつもりだったから、家に置いてある。
『はっぴばーすでーとぅーゆー、はっぴばーすでーとぅーゆー♪』
ノリノリでみんな手拍子を打っているのが聞こえる。
だが、そんなものに参加する余裕はない。急いで鞄をひっくり返し、中身を漁る。
簡単なものでいい、何かプレゼントになりそうなものはないか?
『はっぴばーすでーでぃーあーかつやくーん!……はっぴばーすでーとぅーゆー♪』
いえええええい、と部屋のテンションは上がりっぱなしだ。
まずいな……何もない。これはうっかりしていた私のミスだ。
プレゼントがないなんて言って悲しませたくない。どうすればいいのだろうか。
『では渡します!まず俺から…はい、誕生日おめでとう!』
「うん。ありがとう」
照れて顔を赤くしている克哉がたまらなく可愛くて、見とれそうになる。
次々に貰うプレゼントにどんどん笑顔が大きくなっていく。


……そして。最後に私の番が回ってきた。


――――

 

御堂さんの方をみると、すいっと視線を背けられた。
「御堂さん?」
「……」
御堂さんはなにも言わないまま、ゆっくりと気まずそうに視線をオレに戻した。
「その、すまないが、急なことだったので……何も用意していないんだ」
気まずい沈黙が部屋に満ちる。
『いや、御堂部長は悪くないです!突然誘ったのは俺たちですし!なあみんな!あ、そうだ、俺もう一回歌いますね!』
頑張って空気を元に戻そうと、幹事の駒井が声を張り上げる。
でも、その声はオレの耳には入ってこなかった。
「御堂さん?」
御堂さんがオレを凝視している。眉が寄ったり離れたり、目が細まったり開いたり。何か考えているようだ。
頭の回転が速いはずの御堂さんには珍しく、結構長いこと同じ動作を繰り返していた。頬が染まっていることから考えても、かなり酔っていることに間違いはないようだ。
そしてその変な動作を唐突にやめた。考えている間ずっと堅かった表情が緩む。
そのまま御堂さんの右手がすっと伸びてきて、オレの顎を掴んだ。
「え?」
御堂さんの顔が近づいてきて、唇が重なる。


元の騒がしさに戻りかけていた空気が、一瞬で静まりかえった。


「んー!んむむー!」
塞がれたまま、御堂さんの体を離そうと肩を押す。
だが意識がそっちにいったせいで、御堂さんの舌がオレの唇を割って入るのを許してしまった。
「ん……う」
細い舌が歯列をなぞる。
オレは自分の体から力が抜けるのを感じた。
もうこうなったら、オレは抵抗できない。
「……っ……ふ………………あ……」
何度も何度も、執拗に繰り返される丁寧な愛撫。
「……う…………んく…………はぁっ…………」
普段の何倍もの時間、キスだけをしていた。
御堂さんの手が離れると、ふにゃりとへたりこんでしまう。オレは壁によりかかった。
ここが座敷でよかったと思った。こんな状態で椅子に座っているなんて不可能だ。
まだ息の荒いオレを見下ろして、御堂さんはぺろりと自分の唇を舐めた。
「これがプレゼントでどうだ?」
ニヤリと笑い、残っていた自分の酒を飲み干す。
「さて……私は少々眠くなったから寝かせてもらう。この店を出るときに起こしてくれ。ああ、それと」
御堂さんはオレを指差した。
「『これ』は私のものだ」
それだけいうと、御堂さんは手際よく自分の座布団をくるくると丸めて枕にして、自分の上着を掛け布団のようにしてかけて寝てしまった。
すやすやと、気持ちよさそうな寝息だけが聞こえる。


「佐伯……君?」
おずおずと、女性社員のうち一人が克哉に話しかける。
「……はい」
ゆっくりと振り向いた克哉の顔はほんのり上気していて、思わずつばを飲み込むほど妖艶だった。
「その、今のは……?」
「あの……御堂部長は……酔うとキス魔になるんです」
目を逸らせながら言う克哉はなぜそれを知っているのか。
「オレ、あの、今まで部長の家に飲みに行ったことがあって……普段は飲みすぎることなんてないんですけど、たまに……ほんとにたまになんですけど、ああなっちゃうときがあって」
それはつまり。何度かああやって唇を重ねたことがあると、そう告白しているのだろうか。
「すいません。オレ、帰りますね」
「……待て、佐伯」
強引に出て行こうとする克哉の腕を、駒井が掴んだ。
「なんですか」
恨みがましい目で見られて一瞬怯むが、駒井には確認しなければならないことがあった。
「その……御堂部長とお前の交流にどうこう言う気はないんだ。あれは酔っているせいなんだろうし」
「どうも」
なんとなく克哉が駄々っ子のように見える。質問してほしいけど、知られたくない。そんな子供の悪戯のような。
「俺が言いたいのは、御堂部長が、その……したってことは、相当酔ってるんだよな?」
「そうですね」
「そんな状態で、飲み会が終わってから一人で帰るなんてできるか?」
克哉はちょっと考えるそぶりを見せた。
「無理……だと思います。いつも朝まで起きないですから」
朝までお前は部長の家にいるのか。皆そう思ったが、口には出さない。
「一旦ああなると、どんなに強請っても駄目なんです」
墓穴を掘っていることに気づかない克哉は続けた。
「たぶん、飲み会が終わるころに起きるなんて無理です」
あー、と駒井は唸った。
「……それなら、心苦しいんだが、御堂部長を家まで送っていって欲しいんだ。お前以外は誰も部長の家を知らないし」
「わかりました」
もう早くここを出たくてしょうがないのか、意外にあっさりと承諾して、克哉は御堂の体に手を伸ばした。
肩を貸すんだな、と思った期待を裏切り克哉がしたのは、いわゆるお姫様だっこだった。
「佐伯、おまっ……!」
「え?あ、オレなら大丈夫です。これでも運動部だったんで。それより、誰かオレのプレゼント持ってきてもらえますか?流石にそれも一緒には運べないので」
「あ、私手伝います」
女性職員のうち一人が申し出てさらっと決まり、二人+寝ている御堂部長はさっさと部屋を出て行ってしまった。


――――
 

御堂さんがもたれかかってくる。
「克哉……」
でろーん。まさにそんな表現がぴったりだ。
全身の力を抜いたまま、オレに体重を預ける。
こんなの、普段の御堂さんなら絶対にしないことだ。
しかもここはタクシーの中。
「御堂さん、ここタクシーの中です」
酔うと御堂さんがキス魔になるのは本当だ。
だけど朝まで起きないというのは嘘。
本当は、酔ったまま克哉をベッドに引きずりこんで、そして体中をべたべた触られる。
愛撫とは違う。ただ触るだけ。
一通り済むと、克哉を抱き締めたまま寝てしまう。


普段は絶対に見せない、オレに甘える姿。
それが時々見たくなる。
オレだけが御堂さんを必要としているわけじゃなくて、御堂さんもオレを必要としている。
御堂さんがこんなに酔うなんて一年に一回もないんだろうけど。

毎年オレの誕生日くらいは、オレに甘えてる姿を見せてください。



――――

あとがき。


なにこれ。初SSがすごいことになってしまいました。
まずフライングがヤバイですね。
軽く一ヶ月以上もありゃりゃりゃです。
これはあれなんです。
酔って人前でキスするみどさんと、それを拒みつつも感じちゃうノマが書きたかったんです。
ほんとは飲み会ならなんでもよくて、なんでわざわざ誕生日に設定しちゃったんだろう。
なんでこんなことに?
本来部屋の帰ってからのいちゃいちゃが入るはずだったんです。なんか流れで入れそこなったけど。
後半ノマがかなり眼鏡化してるのが残念。
あとせっかく張ってみた伏線放置。
っていうか誕生日使ったわりにぜんぜん生かせてないorz
反省点だらけです。
ちなみに制作は3時間くらいです。

酔ったみどさんが大好きです。
サイトやSSによって、みどさんが眼鏡に甘えたり発情したり笑い上戸になったりといろいろなんですが、こう・・・・・・普段と違うってのに萌えるんですかね?
お粗末さまでした。

コメントくださると、大喜びで次々とSSを書くような気がします。


追記

初SSはメガミドを書こうと決めてたんです。
なんか失敗した。

コメント

コメントを書く

お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

トラックバック

この記事にトラックバックする:

カウンター

カテゴリー

鬼畜眼鏡

ブログ内検索

プロフィール

リンク

最新コメント

アーカイブ

コガネモチ

アクセス解析