ここから本文です

130m引きずった車発見、少年数人逮捕へ

11月25日9時6分配信 読売新聞

 大阪府泉大津市で9月、車上狙い犯とみられる男らの逃走車両にしがみついた会社員中野新吾さん(30)が約130メートル引きずられ重傷を負った事件で、府警泉大津署が、事件に使われた軽ワゴン車を堺市内で発見、押収していたことがわかった。

 車体前部から、中野さんの指紋が検出された。府警は、軽ワゴン車を日常的に使用していた少年グループが事件に関与した疑いが強いとして、25日にも数人を強盗殺人未遂容疑で取り調べる方針を固めた。容疑が固まり次第、逮捕する。

 事件は9月13日午前3時15分頃、泉大津市松之浜町の路上で発生。中野さんは、自宅に隣接する駐車場に止めていた自分の車の警報装置が作動したため、外に出たところ、急発進する黒い軽ワゴン車を目撃。車前部にしがみつき、約130メートル引きずられた後、振り落とされた。路上には折れたワイパーが落ちていた。

 付近の住民らの目撃証言によると、軽ワゴン車に乗っていたのは若い男数人で、逃げる直前まで駐車場内の車を物色していたという。中野さんの車を含め3台が窓ガラスを割られており、一部にはカーナビを取り外そうとした形跡もあった。

 捜査関係者によると、府警は、遺留品のワイパーや、現場付近の防犯カメラ映像などから、逃走車の車種を特定。該当車両を捜したところ、堺市内で前部がへこんだ軽ワゴン車を発見した。

 ワイパーは取り換えられていたが、検証の結果、車体の前部から中野さんの指紋が検出されたほか、底部からも中野さんのものとみられる血痕や衣服の切れ端が見つかり、犯行車両と断定した。

 所有者の男性は府警の事情聴取に対し、「普段は息子が乗り回している」と説明。事件当時も同様だったといい、府警は、息子と友人の少年数人が事件にかかわった疑いがあるとの見方を強めている。

 中野さんは、引きずられた際に背部の皮膚が大きく削られて皮膚移植が必要で、現在も入院中。家族は10月下旬、読売新聞の取材に、「手の骨折や頭骨の損傷もあり、傷が完全に治ることはないだろう。命があったのは幸いだが、なぜこんなことになってしまったのか……。一日も早く解決してほしい」と話していた。

 府警によると、府内の車上狙いは昨年まで16年連続で全国ワースト1を記録している。

最終更新:11月25日9時6分

読売新聞

 

関連トピックス

主なニュースサイトで 車上荒らし の記事を読む

ブログパーツ

国内トピックス

主要メディア6紙の過去記事2年分を瞬時に検索。
全国紙の社説を比較する毎日新聞の企画「社説ウオッチング」。産経新聞の「社説検証」とあわせてチェック(本文有料)。