日本は株・円・国債すべて低評価、責任なすり付けにげんなり

2009年 11月 24日 14:58 JST
 

 [東京 24日 ロイター] 日本の株式や円、国債などへの評価が極めて低くなっている。株式は買い手不在の中で流動性相場に出遅れ。円は上昇しているが仕掛け的な買いであり、決して日本への評価ではない。

 円債市場では直近の金利低下が一服した後でこう着感が強まっている。日本資産敬遠の理由として増資ラッシュ、デフレーション、政策実行力への疑問、財政悪化など様々な要因があるが、当事者が責任をなすり付けあう姿に市場はげんなりしている。

 <海外勢は日本の実行力に疑問>

 日経平均は5日続落。米金融緩和の継続観測などを背景に米ダウが13カ月ぶり高値を更新、欧州株も大幅高となったが、日本株は引き続き「蚊帳の外」となり、買い手不在の中でさえない動きが続いた。市場では「先物の上値に売り注文が多く、買い意欲を減退させている。海外勢の売りが目立っているわけではないが、買い手不在の状況が続いている。英国の高速鉄道の一部区間について受注の見通しが報じられた日立(6501.T: 株価, ニュース, レポート)も下げに転じるなど好材料にも反応は鈍い」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。 

 日に日に世界から取り残されつつある日本株について、国内では責任のなすりつけあいのような様相も見え始めてきた。

 藤井裕久財務相は24日の閣議後の会見で、株安の背景について「増資ラッシュ(の影響)が一番大きい」と述べたが、マーケットは「欧米でも増資が続いているが株高だ」(外資系証券)と反論。「成長戦略を欠く民主党こそが元凶」(国内証券ストラテジスト)と政治に責任を求めている。

 また、政府がデフレーションを認める一方、通貨の番人たる日銀はなかなか認めず「需要自体が不足している時には、流動性を供給するだけでは物価は上がってこない」(白川方明日銀総裁の20日会見)と、ここから先の金融緩和の一段強化には慎重。これに対し亀井静香郵政・金融担当相は「日銀が相変わらず寝てしまっていて起きそうにない」と批判している。

 日本の人口減少や高齢化に伴う低成長は、今に始まったことではない。最近の株価低迷の主因とするのは無理があろう。半年ほど前には「世界の景気敏感株」として注目される時期もあったのだ。マーケットでは「(株安の)責任のなすりつけあいにはうんざりする。JAL(9205.T: 株価, ニュース, レポート)問題など海外投資家からは政治だけでなく企業も含めての日本の実行力に疑問符が付いているようだ」(大手証券トレーダー)との厳しい意見が出ていた。  続く...

 
 
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政府が先週、デフレ宣言に踏み切った。24日の閣議後、主要な経済閣僚からは、日銀が何かすべきだと言わんばかりの発言が相次いだ。
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