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(2009/11/24)

紅白初出場!声優界のスター、水樹奈々ブレイクの軌跡

「私にとって夢のステージで、究極の目標の場所でした」。そう語る水樹奈々が、デビュー9年目の今年、NHK紅白歌合戦に初出場することが決定した。声優界のスターであり、アーティストとしても大きな成功を収めている水樹奈々は、6 月にリリースした7th アルバム『ULTIMATE DIAMOND』が自身初のオリコン週間ランキング1 位を獲得。7 月の西武ドームライヴの成功もあり、09 年は水樹奈々にとって飛躍の年となった。デビューから9 年目で実現した本格的なブレイク、その要因を分析する。

■確固たる指針を貫き現在の成功へ

今年の7 月5 日に行われた埼玉・西武ドーム公演の成功は、水樹奈々の突出した存在感、アーティストとしての類まれな才能を証明するに十分だった。“オタク、アキバ系”と称されるコアなファンだけではなく、ごく一般的なJ-POP ユーザーまで、幅広い層のオーディエンスを集めたことも象徴的。つまり、彼女の存在は“アニメ、声優ファンたちのアイドル”を超え、音楽ファン全体に浸透しつつあるのだ。

 しかし、彼女の商業的な成功は、去年、今年にかけていきなり実現したことではない。00 年12 月にシングル「想い」でデビューして以来、9 年間をかけてようやく現在の状況を作り上げたのだ。その活動の指針は、「声優と歌手だけに絞る」ということ。その確固たる指針がファンの信頼感を高め、「一度ハマったファンはずっと応援し続ける」という武器につながっているのだ。

■シンガーとしての資質と計算された楽曲制作がカギ

 成功の理由のひとつとして、「ユーザーのニーズを正確に掴んだ楽曲制作」は見逃せない。それを最も端的に示しているのが、05 年10 月発売の12th シングル「ETERNAL BLAZE」。水樹が声優として出演したアニメ『魔法少女リリカルなのはA's』の主題歌に起用されたこの曲には、「アニメファンの好きな要素を詰め込んだ」(プロデューサー・三嶋章夫氏)という。泣けるメロディ、ドラマティックな展開、生のストリングを活かしたアレンジなどをバランスよく同居させたこの曲は、最高位2 位を記録。この曲がきっかけでCX 系『HEY ! HEY !HEY ! MUSIC CHAMP』出演を果たすなど、ブレイクへの糸口を掴んだ。実際、「ETERNAL BRAZE」以降のシングルはすべてTOP10 位以内にランクイン、その知名度も確実に広がっていった。さらに三嶋氏は「デビュー当時から高い評価をいただいている、文化放送のアニソンランキング番組(『こむちゃっとカウントダウン』)もずっと大事にしている」と語る。リスナーの幅を広げると同時に、常に足元を確かめる。この地道なスタンスもまた、彼女の強みなのだろう。

 もうひとつ、水樹のシンガーとしての素晴らしい資質=「全包囲的な歌唱スタイル」にも触れておきたい。初の首位を獲得したアルバム『ULTIMATE DIAMONDS』でも示されているとおり、ロック、ポップスから歌謡曲までをしっかりと歌いこなせる実力は、現在のシーンの中でも際立っている。ジャンルを超越した彼女の楽曲が、幅広くファンを掴んでいくのは当然のことなのかもしれない。

 声優・アニメファンを軸にしながら、ニーズを反映した楽曲とアーティスト自身の高いパフォーマンス能力によってリスナーの幅を広げていく。ファンベースがどんどん広がり続けている状況は、右肩上がりのランキングにも表れている。来年2 月には初のアリーナツアーもスタート。彼女がピークを迎えるのはまだ先のようだ。

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第60回NHK紅白歌合戦初出場が決まり、ガッツポーズを見せる水樹奈々

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