『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』完成披露試写会
【11月24日特記】 『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』の完成披露試写会に行ってきた。TVアニメのファースト・シリーズは僕も割合熱心に見ていたほうだ。サード・シリーズまであったとは知らなかったが・・・。
で、思うに、あのTVアニメのミソは、週1のレギュラー番組だったので、「地球滅亡までに残された日数」が7日ずつ減って行ったところではないかと思う。そのドキドキ/ハラハラ感を2時間一発の映画で出せるかどうかが課題ではないかと思った。
それともうひとつ観る前から気になっていたのは、あのアニメが始まった頃はCGなどというものはまだほとんど存在しなくて、当然のことながら絵のタッチとしては2Dの最たるものであった。それが今の時代にどうなのかということ。
が、始まってみるといきなりしっかりと3DのCGで描かれた宇宙空間である。なるほど技術の進歩はちゃんと作品に取り込んでいるのか、と当たり前のことに感心したりしたのだが、人物が登場するとこれは旧来の2Dのタッチなのである。こういう組合せに最初はかなり違和感を抱いた。
だって、ドラマは主に昔のアニメの延長上のタッチで展開されているのに、宇宙の航行&戦闘シーンだけ急にスターウォーズみたいになるなんて、どうなんだ?──と。
だが、ま、ずっと観てると慣れるもんである。そのうち気にならなくなってきた。
しかし、それにしてもファースト・シリーズがどんな終わり方したか憶えてないし、セカンドやサード・シリーズは全然見てないので、古代進と森雪が結婚しててその娘が出てきたりすると、あれ?何やったっけと思ってしまう。
まあ、ただ、そんなこと全然知らなくてもちゃんと見られるように作ってあるので、その辺りはご安心を。
で、まあ、これも時代性なのかもしれないけど、ストーリーの構造が結構単純なんですよね。わざとかもしれないけど、そういう部分は引きずっている。
エンタテインメントなんだから別にそれでも良いんだけれども、ちょっとあまりに昭和的/20世紀的な勧善懲悪というか、まあ、それはそれでいきなり武士道が出てきたりして面白いのは面白いのだが、ひとえに善と悪の対決であり、それが少し飽きる気はする。
単純でもかまわないが、何というか悪のキャラに(例えばダース・ベイダーみたいな)深みがないのである。
──と思って見てたら、最後のほうでちゃんと設定に工夫がしてあって、その点も改善。
結局、ま、ひとことで言うと、そこそこ面白かったってとこですかね。ただ、原作をどの程度知っていて、どの程度のめり込んでいたかによって、感じ方は相当違ってくるのだろうとは思う。
ただ、冒頭で述べたドキドキ/ハラハラ感に関しては、やっぱりこの形ではちょっと出せなかった気はする。
むしろ、ヤマトには何発か命中しても爆発したりはしないのに、1発当たっただけで木っ端微塵になる宇宙船があるのはどうしてなのか? 撃ってる弾の種類が違うんだろうけど、だったらなんでみんな一番強い弾を撃たないんだろう、なんて変なところでハラハラしてしまった。
一番強く印象に残ったのはCGの進歩である。いや、貶して書いているのではない。CGの進歩のおかげでこういう割合単純な活劇が面白さを増すのだなあ、という率直な感想である。
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