開会中の臨時国会で、衆参両院議員から激しいヤジが飛び交っている。とりわけ衆院では、新人議員143人を抱える民主党から鳩山由紀夫首相への拍手や声援がわき上がり、自民党のベテラン議員が反発する場面が目立つ。政権交代しても、国会のヤジは変わらないのか。
「法案の質問しろー」。中小企業等金融円滑化法案が提案された17日の衆院本会議。自民党議員が鳩山首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題についての質問を始めると、民主党の新人議員らが激しくヤジを浴びせた。傍聴席にいた男性は「うるさいねー」と苦笑いを浮かべた。
ヤジで目立つのが民主党の新人議員。民主党は、研修と称して新人議員を10班に分け、交代で衆院予算委の傍聴を指示。約20席の傍聴席から「そうだ」「その通り」と声をあげた。「党にセンスの良いヤジを飛ばすよう指導された」。ある新人は明かす。別の議員は「人数が多いから激励の声が大きくなり、それが気にさわるのか」と話す。
4日の予算委員会では、数十人の民主新人議員が傍聴に詰めかけたために自民党が反発。立ち見の議員が退席するまで開会が約10分間遅れた。
自民党は苦言を呈す。加藤紘一議員は予算委員会で「後ろで機関銃のような拍手が聞こえる」。谷川弥一議員は「静かに拍手するのではなく、ワーというのは友愛の心に反する。質問の時に聞こえなくなるヤジはやめて」。
鳩山首相は「いたずらなヤジは国会の品位を落とす。私はあまりヤジを好んでいない」と語った。
とはいえ、自民党も負けてはいない。10月29日の参院本会議。鳩山首相が偽装献金問題の弁明を始めると「自分のことだ! 説明しろー」と怒号が飛び交い、机を両手でたたく議員もいた。