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法科大学院、地方に危機感 学生来て!都市圏で入試/学費免除新司法試験の合格実績が低迷する地方の法科大学院が、都市部で入学試験を実施したり、成績優秀者の授業料を免除したりと、優秀な学生の確保に懸命になっている。21日には、島根大法科大学院(松江市)が初めて大阪市内で入学試験を実施。ただ、今月上旬に初めて東京で試験を行った香川・愛媛大の法科大学院(高松市)では、志願者数が過去最低を更新するなど依然として厳しく、「学生の中央志向が強く、このままでは生き残れない」と切実な声が漏れる。 今年度の司法試験合格者が1人だった島根大法科大学院では、開設された2004年度の志願者は304人だったが、昨年度には84人まで減少。今年度から成績上位者の学費を免除する制度も導入し、過去の願書取り寄せ状況から「潜在的な志願者が多い」と今回、大阪に入試会場を新設した。 広島修道大(広島市)は受験者の負担に配慮し、これまで筆記と面接の2回にわけていた試験を1回にまとめて実施するという。 また、香川・愛媛大の法科大学院は「優秀な学生がいても、『学費が免除されるので私立に行きます』と言われると、打つ手がなかった」と、今回の入試から優秀者の学費免除制度と東京での試験を採り入れた。 だが、志願者数は42人と、今年度の73人からさらに減少。東京会場の志願者はわずか7人にとどまり、地方の法科大学院の窮状が改めて浮き彫りになった。 志願者数の減少は、9月に発表された新司法試験の合格率が27・64%と初めて3割を割り込み、リスクを恐れた優秀な人材が法科大学院を敬遠したことも一因とみられる。志願者増には合格率の引き上げが一番だが、ある法科大学院の教授は「幅広い教養を身に着けた法曹を養成するのが法科大学院の役割だったはず。司法試験のための教育でいいのか」と苦しい胸の内を明かした。 ◇
法科大学院 2004年度にスタート。当初は修了者の7〜8割が新司法試験に合格するとみられていたが、合格率が低迷。今年度の入学者総数は昨年度から11%減り、約8割にあたる59法科大学院が定員割れとなった。中央教育審議会の特別委員会は定員削減や統廃合の検討を求めている。 (2009年11月21日 読売新聞)
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