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【コラム 撃戦記】

内藤VS亀田戦に期待すること

2009年11月24日

 つい最近まで“中年の星”がもてはやされたと思ったら、各界で10代が大活躍。はつらつとした新鮮さが中年を押しやっているが、ボクシングやレスリングでは目立った星が出ていない。若い選手はパフォーマンスでは話題を誘うが、肝心の強さやテクニックに目を見張るものがない。

 元気な中年の代表、先日5階級制覇を達成したマニー・パッキャオ(フィリピン)は“アジアの巨人”と形容されるスーパーボクサー。選手のニックネームは、見る者の度肝を抜くテクニックやパワーにつく。かつてバンタム級とフェザー級を制覇したブラジルのエデル・ジョフレは、堅いディフェンスとKO連発の強打で“黄金のバンタム”の異名を取った。日本にも天性のボクシングとタイミングで放つ左ストレートの切れが“カミソリパンチ”と形容された海老原博幸や、右クロスカウンターが武器で“幻の右”で売ったガッツ石松らがいた。いずれもKOできる強打とテクニックが備わってこその形容だ。

 WBC世界フライ級タイトルマッチで、王者内藤大助(宮田)に亀田興毅(亀田)が挑戦する。因縁深い“世紀の一戦”は、パフォーマンスと舌戦がもたらした高視聴率男の激突でもある。形容詞で飾るにふさわしい名勝負を期待したい。 (格闘技評論家)

 

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