阪神から、補強戦略をめぐって抗議を受けたオリックス・岡田彰布監督(51)が23日、早大OBとして来場したオール早慶戦(甲子園)で、虎に猛反論を展開した。阪神主力獲得を狙うオリックスの姿勢があからさますぎる-が虎の抗議。母校・慶大側で観戦した阪神・南信男球団社長(54)が、すでにオリックス球団から謝罪があったと明かすと、これに抗議されるいわれすらないと岡田監督。ネット裏で“早慶戦”のデッドヒートが繰り広げられた。
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聖地、甲子園のど真ん中で岡田監督がほえた。「抗議て。意味わからんわ。オフになったらいっぱいトレード話なんか新聞に載っとるやろ。そんなん一個一個抗議せなアカンのか?おかしいやろ」。母校・早大がオール早慶戦に敗れた試合後だ。口調は穏やかだったが、表情はどんどん険しさを増していった。
「球団同士で話して、阪神が矢野は必要な戦力や、言うて(トレードを)断った時点で終わりの話やろ」。安定した主戦捕手を補強したいオリックスは、城島加入によって出場機会の減少が必至の矢野の調査を開始。トレードを申し込んだが、阪神側は来季の戦力として拒否した。
その上で阪神側は今回のオリックスの動きに対して抗議したが、岡田監督は正当な手順を踏んだ移籍話を蒸し返された思いがある。阪神側への疑心暗鬼も生まれ、「こっちが根回ししてるわけやないぞ。矢野と話したわけでもないし、矢野に聞いてみいや。調べたらええやんか」とタンパリング(事前交渉)の疑いをかけられていることまで推測した。
「矢野はどうするんかな、というだけのこと。こっちは心配したってんのになあ」。補強案だけでなく、阪神監督時代の正捕手への思いももちろんある。
実際、先月14日の監督就任直後のテレビ番組では「藤川も久保田も全部欲しいですよ」と発言。しかし、これはあくまでリップサービスの一環だった。
思わぬところでぼっ発した古巣との“場外戦”。岡田監督のヒートアップはなかなか冷めそうにない。