(C)TWO-WAY/総合・教科外学習/教科外指導/道徳・生活指導/第3学年

「僕だってできる!」
努力とやる気を考える・・・のび太君の授業(H15)

TOSS東京西部  田代光章

学級開きから1ヶ月たった5月に本授業を実施した。
道徳は、実物を語るのが最もよいと考えるが、子どもにもなじみ深いアニメ『ドラえもんの最終回を今回は取り上げ、語ることにした。
授業中、ひとりの男の子が感動して泣いてしまった。それだけ力のある資料なのだと思う。
同じ授業を6年生に実施したが、今回は3年生ということもあり、資料を分かりやすい言葉に直した。(リンク


板書する。

「のび太くん」
(「えー。のび太くーん?」

のび太くんについて、知っていること、思っていること、考えていること、疑問に思っていること、何でもいいですから、箇条書きにして書いてごらんなさい。時間は3分です。はじめ。

子どもたちは、「のび太くん」というだけで盛り上がっている。ざわざわしているが、この雰囲気はよしとする。
机間巡視をしながら、時間経過を伝えていく。(「あと2分」「ひとつも書けていない人、立ちなさい(さすがにいない)さすが3年生!」「あと1分」「あと30秒」)

止め。鉛筆を置いてごらんなさい。ひとつだけ発表します。

列指名して発表させる。
<子どもの発表>
  ・逃げ足が速い   ・ドラえもんにたよってばかりいる
  ・勉強嫌い   ・しずかちゃんが好き   ・ねるのが好き
  ・あやとりと射撃の名人   など

「服が1種類しかないよね」「いや、そんなことないよ」
などなど、のび太君の話でだいぶ盛り上がる。

聞く姿勢にさせ、期待感を膨らませるように話をする。

姿勢を正してごらんなさい。
のび太くんは、君たちも知っているように、アニメ『ドラえもん』に出てくる登場人物です。
“藤子F不二雄”という方が描きました。もう亡くなられています。今日はこの『ドラえもん』の最終回を読んでみたいと思います。最終回はいくつかありますが、そのなかのひとつです。ドラえもんはどうなるのでしょう?また、のび太はどうなるのでしょう?静かに聞きます。

資料を読む。声の抑揚や大きさに配慮しながら、じっくりと読む。(読む練習をしておくとよい)
10分ほどかかった。しかし子どもは微動だにせず、静かに聞いている。すごい集中力である。
時々「おー」とか、笑うなどの反応を見せる。
ひとりの男の子が泣き出した。周りの子が気付いたが、そっとしていた様子であった。

 今『ドラえもん』の最終回を読んだ感想を書きなさい。

挙手をして発表させる。泣いていた男の子は、泣きながら発表していた。

この物語から、ひとつのキーワードが分かります。次のかっこに、言葉を入れてごらんなさい。

・天才とは、99%の(    )と、1%のひらめきで決まる。(エジソン)
子どもに普段から話しているので、すぐ答えることができた。
黄色のチョークでかっこの部分(努力)を記入した後、次のように話す。

この物語は作り話ですが、とても考えさせられる物語ですよね。のび太がドラえもんの死をきっかけに、一生懸命勉強し始める。誰もが、「のび太は駄目なやつだ」「あいつは馬鹿だ。まぬけだ」そうのび太のことを思っていたんです。人間は、“やる気”を出し、“努力”をすれば自分の夢をかなえることができる。そうこの最終回の話は教えてくれていると先生は思います。

最後は語りである。子どもが「努力すれば必ずかなう」と思うような語りを心がけた。
子どもたちは真剣に聞いていた。
物語の余韻が残っているという感じであった。

 今日の授業の感想を書きなさい。


時間が余ったので、「努力の壷」の話をした。
具体的にどのように努力するのか、またどうしたら努力が報われるのか(努力曲線の話)を考え、実践できるきっかけづくりの授業を次回は行うこととする。