このうち41団体については、鳩山政権下で組み直した来年度の概算要求でも計5112億円(前年度予算比740億円減)が支出先として予算計上されている。独法11団体に計4680億円、特別民間法人3団体に計74億円、公益法人27団体に計358億円となっている。さらに、入札対象事業の受注が見込まれるため、実際の支出額はさらに膨らむとみられる。
これらの中には、前政権の補正予算で「天下り法人」への多額の支出として批判を浴びた厚生労働省所管の特別民間法人「中央職業能力開発協会」(概算要求20億円)や、行政刷新会議の事業仕分けで「予算計上見送り」とされた国交省所管の独法「都市再生機構」(同902億円)なども含まれている。
鳩山政権は来年度予算編成に向け、独法や公益法人への支出や基金の見直しを打ち出している。この問題に取り組む民主党の柚木(ゆのき)道義衆院議員は「官僚OBが5代以上続けて再就職している法人は天下りの最たるものであり、支出の妥当性について検証すべきだ。税金で天下りを支えることは許されない」としている。(勝亦邦夫)
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元会計検査院局長の有川博日大教授(公共政策法)の話 一つのポストに5代以上も同じ省庁から天下りし、その法人に多額のカネが補助金や交付金などとして支出されているのは不透明に映る。天下りした官僚OBの仕事内容や補助金などの金額の妥当性について検証する必要がある。補助金や契約方法の見直しなどでカネの蛇口を閉めれば、無駄な天下りの余地はなくなるだろう。