栃木県足利市で90年に当時4歳の女児が殺害された「足利事件」の再審第2回公判が24日、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)であり、午前中は菅家利和さん(63)釈放の根拠となったDNA型再鑑定を実施した専門家への証人尋問を通じ、検察側が菅家さんの無罪を立証した。
専門家は、検察側の推薦でDNA型再鑑定を委託された大阪医大の鈴木広一教授。STR法と呼ばれる現在主流の鑑定法を用いて、菅家さんと真犯人とみられる型の「不一致」を導き出した。
検察側は証人尋問で、殺害女児の遺棄現場の遺留物と菅家さんのDNA型が一致しなかったことについて「(4兆7千億人以上に1人というSTR法の)出現頻度から見て、科学的に菅家さんは犯人ではありえないと見ていいか」と質問。鈴木教授は「はい」と答えた。遺留物と菅家さんの型が「一致」したとし、菅家さん有罪の証拠となった警察庁科学警察研究所のDNA型鑑定(旧鑑定)には触れなかった。
一方、旧鑑定に証拠能力がなかったことの立証をめざす弁護側は、鈴木教授が犯罪捜査への導入間もなかった旧鑑定について、再鑑定書で「刑事司法に適用する科学技術としては標準化が達成されていなかった」と言及したことについて質問。鈴木教授は「世界中どこでもやっている技術ではなかった」と説明した。
午後からは弁護側が推薦した再鑑定人で、旧鑑定に「技術的な不完全さとミスがあった可能性がある」と指摘している筑波大の本田克也教授への証人尋問が行われた。(阿部峻介、吉永岳央)