2008.10.16.

佐多岬・荒廃施設:いわさきG・行政側での整備を要求!

佐多岬へ今後投資せず・いわさき!


 佐多岬(南大隅町)で老朽化した施設が荒廃したまま放置されている問題で、所有者のいわさきグループ(岩崎芳太郎社長)と鹿児島県など官民の関係者が10月14日、県庁で対応を協議。岩崎側が「新たに投資する経営方針はない」として、行政側での整備を求めた。

 会合は非公開。県によると、岩崎側は、周辺が国立公園のため新たな開発が困難な点も指摘し「規制緩和を含め、国に積極的に関与してほしい」と要請した。県は「今後、整備のあり方などについて、国とも協議したい」としている。



 佐多岬で公園事業を展開する岩崎グループのいわさきコーポレーションは、国立公園内での事業は規制が多く、採算に合わないことなどを理由に、「今後投資の意向はない」と明かした。地域振興の観点から、今後の事業には県や国の積極的関与を求めた。

 岩崎側の岩崎芳太郎社長、税所篤朗・南大隅町長、環境省、県側の各代表が出席した。終了後、会見した岩崎社長は、採算が望めるような事業計画には国の認可が下りない可能性が高いと指摘。徒歩でしか行けない展望施設の改修には、膨大な手間がかかることもあり、「新たに投資するという経営方針はない」と伝えたという。

 仮に施設を閉鎖すると、観光客らが本土最南端の地を訪問できなくなる。岬へのアクセス確保や公園事業を地域にどう生かすか考える意味からも、県や環境省など国が事業を引き受けるべきとの考えを示した。

 岩崎社長はまた、佐多岬、対岸の開聞地区、両地域を結ぶ山川−根占フェリーを広域的な観光ルートととらえ、再構築する取り組みの必要性にも触れた。
 県によると、こうした意向を踏まえ、関係者がそれぞれ検討することを確認した。

 岩崎側が整備した佐多岬ロードパークは第2料金所までは昨年4月、南大隅町に譲渡。代わりに町は、岩崎側が借地し私道としている同料金所から先の部分を、国から取得したうえで換地する予定。岩崎側はその後一帯を含めて行政に移譲したい意向とされ、水面下で調整が続いている。

<いわさきグループ>
バス事業者
鹿児島交通
鹿児島交通観光バス…観光バス事業者
大隅交通ネットワーク
南九州バスネットワーク…2006年8月をもって会社清算
三州自動車
いわさきバスネットワーク(旧林田バス)…2008年2月に事業移行
種子島・屋久島交通
奄美交通…2008年6月をもってバス事業廃止