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<オタク評論家が緊急警告>
パンドラの箱をあけた詐欺女――
中年オタク受難の時代がやってくる
唐沢俊一

34歳の女性がインターネット上の「婚活サイト」で知り合った男性たち数人から大金を騙し取り、詐欺容疑で逮捕されるという事件が起こりました。さらに、この容疑者とつながりのあった6人もの男性が、不審死を遂げていることも判明。前代未聞の連続殺人事件の可能性もあるこの事件、そもそも被害者の男性たちは、なぜ簡単に騙されてしまったのでしょうか。オタク評論家の唐沢俊一さんが、その背景を分析します。さて、この容疑者があけてしまった“パンドラの箱”とはいったい……?

モデラー(プラモデルマニア)の大出嘉之さんの死から発覚した連続結婚詐欺事件は、大出さんの死に殺人の疑いが濃厚になるにしたがい、容疑者の女性の異様な人格が次々に報道され始めている。マスコミの報じる通り、この女性が大出さんはじめ6名(それ以上の可能性もある)もの命を奪ったとするならば、この女性容疑者は犯罪史に残る、希代のシリアル・キラー(連続殺人犯)ということになるだろう。
 以下の文章はその仮定に立っての話である、とお断りしておくが、とにかくその最大の特徴は、6人の人間の命を実に簡単に奪っておきながら、この容疑者のブログの文章などを見る限り、そこに顕著な狂気性がまったく見えない、ということだろう。もちろん、人を殺しておきながら平然と食べ物や旅行のことを書きつけるという行為自体が狂気のあらわれ、と言えばそうかもしれないが、しかし、そこには快楽殺人的な、つまり殺人自体を楽しむといった異常性は見られない。
 彼女の日記をプロファイリングしてみても、普通の(こういう形容詞をつけることが適当かどうかはさておいて)連続殺人犯たちにほぼ共通して見られる異常な言動や思考はほとんど抽出できまい。テレビのワイドショーなどでは、彼女本人を知る人たちの、彼女がキレやすい性格だった、とか、脅迫まがいのメールを貰ったことがある、とかいう証言を拾ってきているが、いずれも、その程度のことならばいくらもある、というレベルに過ぎない。
 ……このことが、この事件をとにかく、恐ろしいものにしている。つまり、殺人という、人間の心の中にある最大のタブーを、単にぜいたくがしたい、おいしいものを食べたり、高級な外車に乗りたい、という単純な、人間であれば誰しも持っている日常の欲望のために、軽々と犯してしまうタイプの殺人者がとうとうあらわれた、ということなのである。

(『婦人公論』2009年12月7日号号より一部抜粋)

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