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がんばれ朝鮮学校、がんばれコリアンタウン!

鈴木喜志子2004/10/03
東京都江東区枝川1丁目にコリアンタウンと呼ばれる一角がある。チマ・チョゴリ友の会が主催するツアーに参加し、枝川の朝鮮第2初級学校が直面する問題を聞いた。
東京 裁判 NA
 東京都江東区枝川1丁目にコリアンタウンと呼ばれる一角がある。9月18日、私はチマ・チョゴリ友の会が主催する枝川を巡るツアーに参加した。当日の案内役を努めた宋賢進(ソン・ヒョンジン)さんは生まれも育ちも枝川で東京朝鮮第2初級学校の校長先生だ。宋先生は枝川の歴史と同校の直面する問題についてお話ししてくださった。

 1941年、オリンピック(戦争のため中止)と、万国博覧会開催のため、戦時中強制的に日本に連れてこられた朝鮮人など約1000人の人々が当時の東京市によって枝川に移住させられた。それがかつて朝鮮部落と呼ばれた東京のコリアンタウン、枝川1丁目の始まりとなった。

 東京市によって建てられた木造の簡易住宅は、風呂もトイレもないバラック小屋で生活環境はきわめて劣悪だった。付近の塵芥処理場からは常に悪臭が立ちこめ、大量のハエや蚊に悩まされた。下水設備がなかったので台風などで大雨が降ると、たちまち床下・床上まで浸水した。

 現在の枝川1丁目は下水道が整備され悪臭はまったくしない。住宅の建て替えも進み、当時の面影を残す建物はほとんどない。しかし60年前のたたずまいのままに朽ち果てる寸前の元都営住宅が2軒も残っている。しかも、かつては30世帯は住んでいたであろう大きなアパートには、今でも数世帯の方々が暮らしている。

 この枝川にある東京朝鮮第2初級学校(以下小学校)は1945年に設立された「国語(朝鮮語)講習所」を前身として1964年、住民たちの手作りで現在の場所に建設された。現在生徒数約60名、教師8名の小さいながら歴史ある民族学校だ。

 2003年12月、東京都は小学校が土地(校庭部分の4140平方メートル)を不法に占拠しているとして東京地裁に訴訟を起こした。都は1970年から90年までの20年間、小学校が都から無償で借りていた土地の明け渡しと、契約が結ばれていなかった90年以降の土地の使用料、4億円あまり(03年11月末現在)の支払いを要求している。

 朝鮮学校は各種学校扱いで国から補助金が出ないため、どの学校も経営が苦しい。落成以来校舎の補修もままならないこの小さな学校にそんな大金が払えるわけがない。しかし学校に隣接する住宅地は歴史的経過を勘案し地価の7%という安さで住民に払い下げられた。朝鮮の人々を強制移住させた上、劣悪な環境を放置していた事実を東京都が認めたからだ。

 小学校の校庭が払い下げの対象からはずれたのは、宅地の管轄は財務局、小学校の敷地は港湾局の管轄という都側の事情に原因がある。東京都は契約が切れている以上、土地の明け渡しを求めるしかない、学校側が主張する歴史的経緯は裁判とは別の問題だと主張している。

 東京都は小学校側が不当だと言うが、よその国から人を連れてきて重労働をさせ、困難な状況に追い込んだ政府は不当ではないのだろうか。裁判について宋先生はこう語る。

 「学校の存続がかかっているので、この裁判は負けられません。この問題は本校だけの問題ではありません。この裁判を通して全国の朝鮮学校・民族学校に関する権利を明確にし、子供たちが民族教育を受ける権利を擁護していきたいと思います」

 学校見学と宋先生との質疑応答後、小学校近くの焼肉店で昼食会が開かれたが、宋先生は遠方から通って来る子供たちを送っていくために中座された。児童の送迎は昨今のマスコミによる拉致報道や、北朝鮮バッシングによって起こる危険から子供たちを守る配慮でもある。

 お金のことを考えたら朝鮮学校の教師はとてもやっていられないと宋先生は言う。若い教師の月給は約10万円、しかも給料の遅配はしょっちゅうで労災も退職金もない。子供たちへの愛と民族教育への情熱が先生方を支えている。

 昼食後、近くの食料品店でキムチや韓国風ラーメンなどを買って店を出ると、宋先生の運転するスクールバス「未来(MIRE)号」が送迎を終えて学校に戻ってきた。子供たちの未来は今後宋先生がこの裁判をどう闘っていくかにかかっている。
がんばれ朝鮮学校、がんばれコリアンタウン!
枝川の町を案内する宋先生
がんばれ朝鮮学校、がんばれコリアンタウン!
老朽化が進む校舎
がんばれ朝鮮学校、がんばれコリアンタウン!
この衣装で舞う子供たちの姿はいつまで見られるのか… 撮影:3枚とも筆者 撮影日:04年9月18日 撮影場所:東京都江東区枝川のコリアンタウン

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[54758] 実態は在日が好き放題やっている
名前:明石晶
日時:2009/11/24 17:28
よく、「在日は差別されている!日本人は差別するな!!」と言われますが、
実態はちょっと違うということがよく分かる動画。



http://www.youtube.com/watch?v=R8lj_IMkIqg



左翼リベラルのみならず、保守からも非難囂々の「在特会」による動画。
私も彼らのことは大嫌いなのですが、今回の動画に関しては素直に評価したい。


京都朝鮮第一初級学校が隣接する公園を不法占拠状態で使用する現状を告発
する動画です。
勝手にサッカーゴールを置き、勝手に朝礼のお立ち台を置き、勝手に校内放送
用のスピーカーを設置する。元々設置してあったジャングルジムを勝手に撤去・
処分した疑いも出てきている。


近隣住民や行政が注意しても聞く耳を持たず。
本当に差別されているなら、このような我が物顔の行動など取れないはずです。


実態は、日本人が朝鮮人を恐れ不法占拠を黙認するしかない。
一体、どこが差別されているのでしょうか。



※在特会も罵言雑言の下品なデモはやめて、純粋に論理だけで戦う団体に変貌
すれば私も支持するんですけどね。

[返信する]
[6032] 要すれば日朝間は「戦争状態」なんです。
名前:南一
日時:2005/01/10 12:21
 在日朝鮮人の問題は、戦後から今日に至るまで、実に難しい、重苦しい課題です。北朝鮮の核・ミサイル開発問題の深刻化や日本人拉致問題の顕在化以降は、問題は更に複雑化しています。法律論云々、人権問題云々。しかし、殆ど何も解決していません。なぜでしょうか。

 皆さん、頭を冷やしましょうよ。「納税義務と参政権」等々の個々の法律問題も確かに大切でしょうが、これまでの議論を見ていると、結局は「木を見て森を見ず」の観が否めません。せめて鳶(とんび)くらいの高さまで視点を上げなきゃ。

 残念ながら、今日に至るまで、日本と北朝鮮(いつの間にか、日本のメディアは「北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国」と表現しなくなりましたね。)は事実上の戦争状態なんですよ。実弾が飛び交う、所謂「Hot War」ではないけれど、自衛隊はずっと以前から北朝鮮を「仮想敵国」に設定しているそうで、ソ連が潰れてからは、北朝鮮は「仮想敵国丙」から「同乙」にランクアップしたとかしないとか。
 連日の報道を見る限り、北朝鮮側は「経済制裁などやってみろ、ただじゃおかねえぞ」と凄んでいますし、日本は日本で、アメリカ合衆国の後ろに隠れながら「ウチの父ちゃんはお巡りさんだぞ。テメエなんか、あっという間に灰にしちまうぞ。」と、上ずった声で叫んでいます。
 このような深刻な関係にある相手(北朝鮮)の国民(在日朝鮮人)に対して、日本政府が「いや〜、これまで在日朝鮮人の皆さんには申し訳ないことをしました。お詫びに、参政権でも何でも差し上げます。何なら、万世峰92号の検査だって大目に見てあげますよ。マスクメロンでも、精密加工機械でも、何でも好きなだけお国に持って行ってかまいませよ。」などとは言えますまい。友好的、或いは正常な国交のある国々の在留者に対してさえ閉鎖的な日本政府が。

 まあ、本件が戦争状態にある両国間の問題である以上、我々がギャーギャー騒いでも、裁判所がコツコツ判例を積み重ねても、本質的な問題は何一つ解決はしません。司法といえども「統治行為論」とやらで、最終的には政府判断にねじ込まれるのが現実です。
 この問題が解決に向かって動き始めるのは、朝鮮半島に「まともな」統一国家が出来て、その国と日本とが「大人の関係」を設定できてからでしょう。何百年かかるか想像もつきませんが。その日まで、皆で頭の体操に励みましょう。
 
[返信する]
[3910] >本筋からは外れるが
名前:NOGUTI Hiroyuki
日時:2004/10/09 02:31
>日本人が国政へ参加できるのは主権を有する国民の一員だからであって、税金を払っているからではない。

「主権を有する国民」というのが良く分かりませんが、次の文で

>できるのは主権を有する国民の一員だからであって、税金を払っているからではない。税金をうんうんすれば生活保護を受けている者に参政権はない、との主張もでてくる。納税即参政権との考えは19世紀的なのである。

と、制限選挙制を否定されていますね。つまり国民であれば自動的に参政権が与えられる、という主張をされているわけです。(これ自体は賛成ですが。)

で、「在日外国人も税金を払っている」云々は、「事実上、日本人と変わらない納税義務を負っている」ということを言っているのであって、個々人が納税しているかどうかという問題ではありません。分かります?

で、在日外国人の生活実態は、日本人とほとんど変わらない。税金についても同様です。日本人と同じように納税しているのに、税金の使い道について発言権がないというのは、明らかにおかしいですよね。参政権がないのならば、どうしても免除できない行政サービス分を除いて、税金は免除すべきですよね。

私は、外国人参政権ではなく、重国籍を認めれば問題は解決すると思います。特別永住資格を持つものには自動的に日本国籍を与え、特別永住資格を廃止すればいいのです。重国籍は時代の流れですし、日本人の間からも要望が強まっています。
http://www.janjan.jp/government/0403/0403101890/1.php
この記事でも、法務大臣が「二重国籍の容認は国際的な趨勢」だとの見解を示しました。できるだけ早く、重国籍を認める法改正を行い、在日特別永住者全員(ただし拒否したものは除く)に日本国籍を与えればよいのです。
[返信する]
[3825] 本筋からは外れるが
名前:冨山正美
日時:2004/10/04 09:58
 本筋からははずれるが、税金を払ってるから参政権も、との主張に反論したい。
 日本人が国政へ参加できるのは主権を有する国民の一員だからであって、税金を払っているからではない。税金をうんうんすれば生活保護を受けている者に参政権はない、との主張もでてくる。納税即参政権との考えは19世紀的なのである。
 朝鮮総連が日本への参政権に反対している事も無視してはなるまい。内政干渉だから、というのが表向きの主張だが、選挙権を持つことで、在日の日本社会への統合が進むのを怖れているのだろう。選挙権を持つことは同化をすすめることになる。 
 それでよいのだろうぁ?
[返信する]
[3808] この記事で興味を持ったのは以下の部分でした
名前:愛蔵太
日時:2004/10/03 17:38
>2003年12月、東京都は小学校が土地(校庭部分の4140平方メートル)を不法に占拠しているとして東京地裁に訴訟を起こした。

この件に関しては東京都の主張と意見の異なるかたがたの「主張」メインのサイトが多くて、事実はどういうものがあるのか探すのが大変でした。

まず、訴訟の前の「監査請求」とか。

都有地を不法占有(学校法人東京朝鮮学園ほか)されていること等を違法・不当とする住民監査請求の監査結果について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2003/10/20da7300.htm

結局この中の一件だけが以下のように判断されたわけですが、

江東区に所在する港湾局所管の都有地が不法占有されていることは財産の管理を怠るとして必要な措置を求める住民監査請求監査結果
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2003/10/20da7300.htm

(引用はじめ)-------------------------------------------------
(1)結論

 本件土地の適正化に向けて、港湾局は本件法人と一定期間交渉を行うなど、努力を重ねてきた状況はあるものの、交渉が長期間中断し、現在まで本件法人は港湾局用地を無権原に占有していることから、都は本件土地の財産の管理を違法・不当に怠っているとする請求人の主張には、理由があるものと認める。
-------------------------------------------------(引用おわり)

で、次に東京都の提訴の言い分はこんな感じ。

都有地を不法占有している学校法人東京朝鮮学園に対して知事が行った提訴について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/01/20e1k400.htm

弁護側の言い分は以下の通りのようですが、

http://www.k-jinken.ne.jp/minzokukyoiku/junbishomen.htm

俺が知りたいのは、

1・他の日本に存在する朝鮮学校の土地・税金の扱いはどうなっているのか(固定資産税は免除あるいは優遇されているのか)。
2・他の「一条校」あるいは専門学校・各種学校(たとえばアメリカン・スクールなど)の納税状況はどうなのか。

ということなのでした。
[返信する]
[3805] 在日朝鮮学校を私学として認め、私学助成金も支給すべき
名前:北誠
日時:2004/10/03 16:08
朝鮮併合で実質植民地政策を行い、朝鮮人を強制・半強制・甘言で、日本に連行し、強制労働の上、賃金未払い。国は、戦後、一方的に戸籍をはく奪し、納税義務だけは負わせてきた。
やっと裁判で、賃金未払いの存在は認めたものの、請求権の時効を認める。
また、強制連行や強制労働について国と旧三菱重工の不法行為を認定したが、請求については、国家無答責と「旧三菱重工は解散し、現会社は債務を引き継いでいない」という理由で退ける等、国も企業も償おうとしない。

税金を納めさせるならば、その税金の使い道を決める権利があります。従って、在日朝鮮人(民族としての呼称)にも、選挙権および被選挙権を認めるべきです。

また、在日朝鮮学校を私学として認め、私学助成金も支給すべきです。

日本で生まれ育ちこれからも日本に住み続けるであろう友人が、歴史的経過を踏まえて、日本国籍は取得しないと言っておりますが、その気持ちは大事にして、同じ地域に住む人間として、基本的人権は保障されるべきだと思います。

裁判頑張って下さい。
[返信する]

11月9日〜11月14日 

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