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【社会】

「きぼう」消えた? 宇宙ステーション再現計画、白紙に

2009年11月23日 09時47分

日本初の有人宇宙実験棟「きぼう」=NASA提供

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 岐阜県各務原市のかかみがはら航空宇宙科学博物館に国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の一部を再現する展示計画が、新政権による補正予算の見直しで白紙状態になった。市が展示開発費などを国の独立行政法人に申請中だったが、この法人の事業そのものがなくなり、実現のめどが立たない。

 展示では、筒型の実験棟を原寸大で部分的に再現し、デジタル地球儀「触れる地球」を日本科学未来館(東京)から導入。これらを組み合わせて、来場者が宇宙飛行士のように実験棟から「地球」を眺めたり、ロボットアームの動きを疑似体験できる計画だった。

 計画は、未来館を設けた文部科学省の独立行政法人、科学技術振興機構(JST)の地域科学館環境展示支援事業に応募し実現させる方針で、市は8月に展示開発費の3200万円などを申請し、二度の審査を済ませていた。申請は38件あり、24件程度が採択される予定だった。

 事業は国の1次補正予算で新設されたが、新政権の補正予算見直しで中止が決定。JSTは10月末に、中止を伝える文書を未来館館長でもある毛利衛さん名で申請者に送った。

 各務原市は航空宇宙産業が集積し「きぼう」の一部が造られたゆかりの地。「きぼう」を開発した技術者や岐阜県、岐阜大、宇宙航空研究開発機構に呼びかけ、展示の具体案を練り、高校生や大学生も制作にかかわることを検討していた。

 市幹部は「きぼうを再現する計画は全国でも珍しく、認められると確信していた。まさか事業が中止とは。市の持ち出しがなく、ありがたい事業だったのに」と残念がる。市は別の補助事業も探しているが、高井孝純館長は「博物館は各務原のシンボル。ほかのプランも含めて活性化策を考えていきたい」と話す。

 審査途中での事業中止についてJSTは「時間と労力を割いていただいた。大変申し訳ない。今後とも地域科学館の支援を行っていきたい」とコメントした。

 <かかみがはら航空宇宙科学博物館> 低騒音STOL実験機「飛鳥」、初の国産旅客機「YS11A」の実物をはじめ、「愛・地球博」に登場した火星探査車のレプリカも展示されている。各務原市が1996年に開館。最近の来場者は年間12万〜13万人と当初の4分の1程度だが、県外からの航空ファンも多い。名誉館長は「銀河鉄道999」などで知られる漫画家松本零士さん。

(中日新聞)

 

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