体験ツアーに80人／地引き網やＧゴルフなど 大神島の住民と交流
東京、大阪から島体験ツアー二百人が来島した。企画したのは、キースエンタープライズ（竹内英二代表取締役）と地元島尻の宮島観光サービス（辺土名忠志社長）。四日は、宮古島観光と大神島体験に分かれて行われ、体験コースの八十人は、シュノーケリングや地引き網、釣り、グラウンドゴルフなど、島の住民と一緒になって一日過ごした。昼食は、島の女性たちが作ったおむすびやカーキダコのいため物、魚汁、焼き魚など海の幸を味わった。
一昨年学校が休校し、三十人の住民は平均年齢七十歳と、ほとんどお年寄りの島になった大神島はこの日、久しぶりの人出で賑わった。島のお年寄りは地引き網の手伝いや昼食の準備で大わらわ、島を訪れた客のもてなしに喜々として動き回っていた。島尻彦吉自治会長は「久しぶりに島が生き生きしている。こんなうれしいことはない」と喜んだ。
二カ月前から動き出したこの企画は、副社長が狩俣出身の砂川邦弘さんで、地元とのコミュニケーションがスムーズに図れたことによる。若いころから何度も沖縄を訪れている竹内代表は、暮らしの延長線に旅はあるというコンセプトで、その地域や島の暮らしを大事にしたプランにこだわる。「常に地元の暮らしと文化を壊さない観光でありたいと考えている」と話す。
東京から参加した広田裕介・理江さん家族は、同僚の村田さん家族、紙山さん家族十二人で来島、理恵さんは「転勤でばらばらになった主人の同僚の家族と一緒に来た。島の暮らしを体験できることは何よりの楽しみ。春休みで子どもたちもいい思い出になると思う」と、初めて見る熱帯魚に歓声を上げていた。
コミュニティー広場では、グラウンドゴルフで遊んだり、近くの海でシュノーケルを体験するなど思い思いに島の時間を楽しんでいた。島の女性たちは昼食の魚汁を大鍋で炊きだし、地引き網で獲れた魚は刺身でふるまわれた。サザエの壷煮や島名物のカーキダコも人気を呼んでいた。
いつもは静かな島が、この日ばかりは方々にのぼり旗がひらめき、多くの人が行きかっていた。帰りの船出も、島のお年寄りたちが色とりどりのテープで見送るなど、温かい演出が見られた。
地引き網で浜に引き寄せられた魚や貝に歓声を挙げるツアー客＝4日、大神島 |
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