海より来たる刃


<オープニング>


「初めまして、だね。真名崎・空(高校生運命予報士・bn0284)、運命予報士だ。どうかよろしく」
 眼鏡をかけた温厚そうな少年は簡単な前置きのあと、気さくな調子で話し始めた。
「さて本題に入ろう。人狼十騎士の清廉騎士カリストが欧州の世界結界の破壊をもくろんだ『ヨーロッパ人狼戦線2』の事は覚えているだろうか。実は、この戦いで行方不明となっていた『聖女アリス』が、つい先日、日本の北九州で目撃されたんだ」
 そう言うと、空は、聖女アリスの人相書きを見せた。
 アリスもカリストと同じ人狼十騎士の一人なのだが、戦いに介入してきた原初の吸血鬼との戦いに敗北し、現在まで行方不明になっていたらしい。
「行方不明になっていた彼女が今まで何をしていたのか、何の目的で日本に来たのかなどは現時点では判明していない。わかっているのは、アリスがフードを被った従者を数名連れている事と、向かっている先に貴種ヴァンパイアの館があること、そして……」
 空は、そこで、一息入れると続けて、こう言葉を続けた。
「処刑人の一団が、アリスの暗殺を狙って行動している事だ」
 と。
 人狼と吸血鬼と処刑人。コルシカでの戦いを再現するような組み合わせにはどんな意味があるのだろうか。

「聖女アリスとの接触と、彼女が向かっている貴種ヴァンパイアの館の制圧には、別の能力者達が向かう予定になっている。そこで君達には、処刑人への対応をお願いしたいんだ」
 そこで口調が少し真剣になる。
「君達にお願いするのは、処刑人のアリス暗殺を阻止する事だけど、状況が判らない今、処刑人の行動が悪だとも言い切れない。
 聖女アリスと他の仲間達の接触に横槍が入らないように処刑人を阻止すると同時に、処刑人に対しても、ある程度配慮してもらいたい」
 要は、処刑人を全滅させたり殺したりといった事は、できるだけ避けて穏便に撃退して欲しいというのが、今回の依頼となるようだ。
 皆の顔を一通り眺め、特に異論が無さそうなことを確認して説明を続けた。

「処刑人の人数は7名で、リーダーは『黒閃のマティアス』というらしい。他の6名は、マティアスの指示に従って連携をとって行動するので、かなり手ごわい敵になるだろう。だが、逆に言えば、リーダーのマティアスが『撤退した方が良い』と判断させるような状況を作れれば、作戦は成功となる」
 そして、処刑人を撤退させる方法は2つあるのだと、空は説明した。
 1つ目は、戦いを長引かせて、アリスを襲撃する機を逸しさせる事。相手を突破させずに、回復アビリティなどを駆使して、戦線を維持し続ける事ができれば、彼らは諦めて撤退するのだという。
 2つ目は、マティアス以外の数名を戦闘不能にし、例え突破できたとしてもアリスを暗殺する事は戦力的に不可能だと判断させる事だ。戦闘不能の仲間を連れて撤退できるような状況を作れば、理性的な判断を下す可能性はより高くなるだろう。
 どちらの場合も、リーダーのマティアスを先に戦闘不能にしてしまえば、状況を正しく判断できるものがいなくなる為、撤退させるのは難しくなるのだそうだ。
「勿論、全力で戦ってマティアスを含め処刑人全員を打ち倒しても作戦は成功になる。この場合は処刑人組織との関係に悪影響は出てしまうだろうが、処刑人を捕縛する事で別の突破口が開く可能性も捨てきれないだろう」

 そこまで説明すると、空は立ち上がって、にっこり笑うと柔らかい口調で言い添えた。
「いろいろ難しい点はあるけれど、ともかく負けてはいけない戦いであり……皆さんは銀誓館の代表として『処刑人』と戦うわけです。他の2つのチームのためにも、吉報をお待ちします」


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参加者
千鴉羽・華音(華蟲使い・b19017)
新庄・直輝(不屈の男・b26032)
摂氏・利紋(高校生土蜘蛛の巫女・b29129)
熱田・智延(白き破断の剣神・b29725)
大鳥・芙雪(癒しの盾・b38773)
遠回・彼方(回り道・b48023)
レナ・ストレイハイム(廃墟と楽園・b50229)
三門・凛華(空間構築士・b55270)
久遠・茜(抱きつき甘えん坊な巫女・b57131)
アーリエル・ゴドフィル(小学生ヤドリギ使い・b61892)



<プレイング>

プレイングは1週間だけ公開されます。

千鴉羽・華音(華蟲使い・b19017)
■アタシ達が割りこんで来たという事は
貴方達だけの問題ではないという事で、内々の事情
お聴かせ頂ければ。好ければお話しましょう

他愛の無い事でも、嘘でも好いです

「その服の装飾の意味って何ですか? 三頭の竜とか--」

■ポジション/行動
前衛による、仲間の支援

・臨機応変な対応は心掛けたいところ

・アビ≪白燐奏甲≫による仲間の傷の手当てに専念

(※)もちろんですが、殺すつもりは一切無いです
事故なんてものも無いと好いのですが…

■処刑人について

「(自分の名前後/処刑人さん等に)あなたの名前は何と言うんですか?」

・基本こちらから攻撃はしません。戦闘前も戦闘中も対話を心掛けます

・詠唱兵器による攻撃は、武器で防御する様にします

・アビリティについては、蟲達を盾にもしくは耐える事が出来れば

(※)仲間が危険になる様な事になりましたら、やむおえませんが
手を出させて頂きます

「…これ以上やるなら、貴様らは--」

■撤退条件
各々に記載されてある共通事項に従います

■白燐蟲について
(1)白燐蟲達を周囲に放ち、相手の注意を削ぎ行動を阻みます
(※)蟲についてはアイテム参照で

(2)戦闘不能者が出た時、一斉に蟲を放ち攻撃させます
服の隙間等から進入させ傷つける等--

「…すみません。が、少しで好いです。動かないで」

「宿蟻、回復と周囲撹乱」
「剣乃舞、攻撃ッ!」
「蟲知朱、捕縛よ」

「ゐ鶴丸……あの人、マティアスさんの傷の手当てを」

「…辛抱します」

新庄・直輝(不屈の男・b26032)
【心情等】
いつもと違って対能力者との戦いだな。
ただ、倒せばいいというわけにも行かないからな、
見極めながら行動せんとな。
今後にも影響してくる。

【目的及び最優先事項】
処刑人たちのアリス襲撃を阻止。

【作戦行動等】
●作戦の流れ
まず、話しかけ相手の機先を制止し可能であれば理由を聞き出す。
銭湯に突入したら、なるべく持久戦に持ち込み相手の前衛を削りつつ
こちらは回復を厚くし、時間を稼ぎアリスへの襲撃を断念させ
撤退させる方向で。

●隊列
前衛・後衛で横二列の隊列で。
俺は前衛で。

●戦闘行動等
まず、はじめに話しかけ相手の攻撃を制す。
可能な限りはなしかけ、戦闘回避が無理な状態まで粘る。
このとき、必ずこちらからは戦闘を仕掛けない事。
戦闘を開始する直前に一言

「お前たちと敵対する訳ではないが、こちらにも都合があるのでね。」

戦闘開始したらギンギンパワーZを自分に使用。
敵の隊列を見て前衛に標的を絞る。
出し惜しみはせず、アビリティは使用していく。
使用順位は改→奥義の順で。
敵の消耗率を見て一番消耗の高い前衛を狙うが、
この際、敵の前衛が自分と対していない時のみ。
消耗的に変わらないか対している場合は自分の一番近い敵を攻撃。
可能な限り単調な攻撃はせず、移動しながら回避しにくい方向
及びタイミングで攻撃していく。
前衛に回復が追いつかない場合はギンギンパワーを一番消耗している者に使用する。
自己回復にも使用。

●撤退条件
他のものに準じる。

摂氏・利紋(高校生土蜘蛛の巫女・b29129)
目的【処刑人によるアリス暗殺の妨害】

遭遇したときに聞きたいこと
・人狼十騎士と処刑人は共闘関係だったはずだけど、なぜアリスを狙うの?
・私達は飽くまで狂気に冒された能力者を止めたい一心で、
無下に他組織を潰そうっていう魂胆はまったくないわよ。
だからなるべく戦いたくはないけど、この先へ行くというのなら力ずくでも止めるわ。
出来る限り此方側から相手の闘争心に火をつけるような言い方をしないように気をつけるわ。
不快にさせたようなら率直に詫びるわよ。

交戦に入ったら、
道幅にもよるけど、相手に対して突破させない布陣で
相手に対して広めに包囲するようなカンジかしらね。

私は後衛、だけど、こちら側の布陣がだいぶ広がる場合は
「処刑人から離れた位置」
「直線攻撃を他の人と巻き込まれにくいジグザグ配置」
を意識した位置で交戦するわね。
戦術は、「回復を厚め」にして時間を稼ぐ戦法で極力、守りに入るわよ。
最初は後手で開始するので、ダメージを受けた人
(いなければ神攻UPが有効的な人)へヤドリギの祝福。
全体へのダメージとバッドステータスへは赦しの舞
個人への回復は祖霊降臨を使用。
総合回復量の多いほうを使用するわ。
自己回復はヤドリギの祝福(ついでに誰か一名も回復)
攻撃の余裕があれば、弱った処刑人へ通常射撃

信号弾がヴァンパイアの館から発信されるらしいので
空の状況にも時々気を配って戦うわ。

@共通事項と撤退条件は皆に従う

熱田・智延(白き破断の剣神・b29725)
■心情
人狼に協力してる処刑人がなんでアリスの命を狙ってんだ?
どーにもキナ臭せぇなァ


■行動
隊列ァ前衛、行動基本ァ守備を固めて時間を稼ぐだ
「わざわざ日本までゴクローなこった…だがよ、ココから先ァ通行止めだぜ?」
なるべく会話で時間稼げりゃイイんだがな
俺が聞きてぇのァ
「今回の来訪もカリストの命令か?」
「なんでそんなにカリストに心酔してんだァ?」
「吸血鬼の罪ってどーゆうコトだ?」

処刑人が攻撃してくるまでァ進路妨害だけで、攻撃してきたらコッチも行動開始だっ
「往くぜ?俺がテメェらの断罪の刃ごと総て断ち切ってやんぜッ!!」

戦闘が始まってからも常に処刑人の動きにゃあ気ィつけておくぜッ!
あと攻撃が後ろのヤツらに行かねェ様に処刑人を言葉とか態度で挑発しておくぜ
ダメージを受けたら旋剣の構え奥義か森羅呼吸法で回復すんぜ
うけたダメージ量が少ない場合や回復する必要がねェ場合ァ獣撃拳でリーダー以外を攻撃する。
敵の連携にハマらねぇ様に突出して孤立するような状態にァならねぇ様に気ィつけておくぜ?

あと常に味方との連携も意識しておくぜ!
仲間同士で動きの阻害があっても困るし、今回ァ敵を行かせねェのが目的だしなっ!

「その程度で断罪の刃?ハッ笑い話も程々にしとけッ!!」
「罪を憎んで人を憎まずって言葉ァ知ってるか?殺すだけが手段じゃねェんだぜ?」
「往くぜ、クサナギっ!ヤツを薙ぎ払えぇぇ!」
「総てを切り裂け、ムラクモっ!」

大鳥・芙雪(癒しの盾・b38773)
■邂逅
「初めまして。大鳥と言います」
…話するなら、礼儀は大事かなって
質問ばかりじゃ嫌かもしれないし
僕からは意見を少しだけ
「あなた方が誰も害する気が無いなら通すのも吝かじゃないし、
傷付ける気ならその意義を今一度良心に問うて欲しいと思ってる。
…どうかな?」
あくまで穏やかに
でも…偽りなら見逃せない


処刑人、か…
人に人を裁く権利なんて無い
その目的が処刑なんて事なら、どんな理由も納得は出来ない

僕の目の前では、誰一人死なせない


■戦闘
此方からは仕掛けず相手の出方を見、攻撃されるなら応戦
目的は彼らに退いて貰う事
回復・防御を主軸とし、戦闘不能者を出さぬ事を最優先に行動

浄化の風が皆に行き届く様、陣の前列・中央付近に位置
「後ろ、立たないでね」
と直線にならぬよう後衛へ注意も促す

皆の防具、体力の状態に注意し、
体力が残り僅か(白燐奏甲)

各種状態異常(浄化)

防具の耐久限界を超えている(単=奏甲、複=浄化)
の優先順位で回復
行動順は出来る限り遅らせ、危急の場合に即対応できる様

攻撃は手の空いた時にのみ
ジェットウインドは強行突破を図る者に対して足止めに

尚、武器で受け流したり避けたりと、防御は常に心掛けておく

撤退・連絡については事前に三門さんと情報共有しておき、
彼女が出来ない際は携帯でアリス班へ連絡、信号弾を借りての発射を受け持つ


■事後
本当は…彼らにも、傷付いて欲しくは無いのだけど
去って行った方を見ながら、そんな事を思ったり

遠回・彼方(回り道・b48023)
【目的】
処刑人達が聖女アリスの元へ行くのを阻止。
ついでに処刑人の情報を得たいですね。
先の人狼戦線ではあまり分かりませんでしたし。
ただし、自分及び味方の命が最優先です。

【処刑人に対して】
あからさまな悪意は持ちません。
敵だった相手が味方になるなんて銀誓館(うち)ではよくあること。
今回は争うことは避けられないでしょうが、できるだけ禍根の残らないように。

【戦闘前】
仲間の後ろから様子をみます。
そういえば、前回は小さい子が多かったですね。
今回も子供がいるなら(それが外見から分かるなら)
遠くからでもちょっと微笑みかけて、手でも振ってみましょうか。
反応がみたいので。
彼らが文字通りの「処刑人」なのか、そうじゃないのかが知りたいですね。

【戦闘】
防御に徹して時間稼ぎです。
回復手段の多いメンバなのでちょうど良いでしょう。
私は後衛で回復役です。
相手がBSを使ってくるようなら、赦しの舞での回復をメインに。
HPが減っている人からさくさく回復します。
皆が元気ならまずはリフレクトコアを。
以降は様子見です。間違っても前にでて攻撃したりはしません。

後衛回復担当ですし、全体を見渡しやすいでしょう。
こちらを突破しそうな相手がいないか、常に気にしておきます。
見つけた場合は全員に注意を促します。
誰も間に合いそうに無いなら、自分で止めに行きます。

撤退等、仲間との打ち合わせ通りに。

【戦闘後】
また色々動き出しましたか。
どうなることやら。

レナ・ストレイハイム(廃墟と楽園・b50229)
【心情】
処刑人ですか…。
聊か不明な点も多いですが、今後の世界情勢に係わる重要な依頼です。
気を引き締めていきたいですわ。

【共通事項】
・処刑人リーダー格のマティアスは倒さない。
・処刑人達が逃げに入った場合は見逃す。
・撤退条件は前衛全員が戦闘不能。若しくは、メンバーの7人以上が戦闘不能になり、戦線の維持が不可能となった場合。

【戦闘前】
事前に作戦の内容を再度確認です。
齟齬があれば訂正して意思疎通が万全の状態で臨みましょう。
処刑人と対話できれば、一人の吸血鬼として幾つか質問を。
『何故吸血鬼を狙うのです?身に覚えの無い罪で追いかけまわされるのは理不尽ですわ』

【戦闘時】
前衛にて処刑人と対峙。
基本的に長剣による術式攻撃を主軸に置いて戦います。
後衛の方の支援が届かない場所にいかないよう、立ち位置に気を付けて立ち回りましょう。
数名に囲まれた時はスラッシュロンドを放ちます。
『私の舞、避けられるかしら…?』
後衛の方が狙われそうになればダークハンドを放ち、フォローを。近ければ間に入って狙いを自分に向けるようにします。
体力が半分を切ったら旋剣の構えにて自己回復を。
他の方の支援と被らない様に注意し、回復が必要なければ攻撃に回ります。
可能な限り、他の方と連携と取って確実に務めを果たしたいですわ。

【撤退条件】
共通事項に従います。

【戦闘後】
何とか終わりましたね…。
他の依頼に向かわれた方々も無事だと良いのですが…。 

三門・凛華(空間構築士・b55270)
◆心情
処刑人か…当然だが、友好的だったヤツは来てないようだな。
ま、尋ねたい事は色々あるが…余裕がある相手かどうか。
手強い相手には違いあるまいな。

◆作戦
持久戦に持ち込み、相手を消耗させ撤退させる。

◆対話
「お前が黒閃のマティアスか」
「俺から聞きたいことが一つある。朝露のシリウスはどうしている?」
「そうか…俺は今はそれさえ聞ければいい」
後は他の皆が対話終わるまで待つぜ。

◆戦闘
俺は後衛から回復支援と相手の妨害を試みる。
基本的に傷ついた人を治癒符で回復。
過剰回復にならないように、声をかけながら回復を合わせて行くぜ。
「今助ける!」
「〜〜は任せろ!」
また、処刑人の動きに注意し、出来るだけ直線を避けるように指示。
「〜〜、その位置は危険だ!」

回復の手間が浮いているときは、マティアスに導眠符を試みる。
「しばらく寝てな、お前の統率力は厄介だ」

導眠符が切れ、手が浮いたときは不浄泥濁陣で攻撃する。
「っち、ならば…これでどうだ!」

◆戦闘後
何とか片付いた…か。
他はどうだろうな…

◆撤退条件(共通)
前衛全員の戦闘不能。
もしくは、7人以上が戦闘不能。
「…行きな。邪魔して悪かったな」

◆他班との連絡(共通)
信号弾が上がった場合、声に出して全体に連絡。

こちら側で処刑人を通す事態になったらアリス班へ電話連絡を試みる。
3〜4コールで繋がらない場合は信号弾を使用。

色の内訳は
【強引に数名突破されたら青】
【こっちが撤退に追い込まれたら黒】

久遠・茜(抱きつき甘えん坊な巫女・b57131)
陣形位置:後衛

心境
なんで仲間だったのに殺そうとするの?そんなのおかしいすぎるよ!絶対止めてみせる…っ!

初めに
マティアスさんに「…初めまして、私の名前は久遠 茜です…あなた方にお話があるためここに推参致しました」と礼を尽くします。立ち振る舞いも淑女的な行動をします

行動
相手の出方を見て攻撃をあちら側からしてきたら行動する。それまでは会話による足止め
私は「世界結界を壊せばどうなるか知っているのですか?」「貴方達は主の命令で動いているのですか?」と聞く。もしもその後も会話を続けてくれるのであれば「貴方方のやろうとしている事は…正しい行いとお思いですか?」と聞く…狂気に囚われていないといいけど…

相手が前衛に斬りかかってきたらまずはリーダー格に導眠符を飛ばし効くかどうか試し、全然効かない場合は前衛のほうに斬りかかっている処刑人に導眠符を飛ばす

相手が強化などをしていたら地獄の叫びを使用する。全然そんなことが見えなかった場合は導眠符や射撃による援護

仲間のHPが半分よりちょっと上ぐらいになったら治癒符を投げる。皆と連携してこまめに回復する

途中でマティアスさんが作戦を強硬手段や散って応戦などした場合、後衛に迫ってこようとする敵に導眠符を飛ばす。もしも切れていた場合は治癒符でこまめに回復し、余裕があれば通常神秘攻撃か射撃で応戦

撤退条件は味方前衛の全滅で、条件を満たしたら即座に味方をかかえて撤退します

アーリエル・ゴドフィル(小学生ヤドリギ使い・b61892)
ケルベロスのケルちゃんと一緒に頑張りますよぉ。

前(前衛)と後ろ(後衛)に分かれて待ちかまえますぅ。
わたしもケルちゃんも後ろ(後衛)ですぅ。

処刑人の人達に会ったら、戦う前になんでアリスさんを狙うのか聞いてみたいですねぇ。


戦いになったら、わたしはホーミングクロスボウで攻撃しますぅ。
ケルちゃんは、まずアイアンチャージ改で後ろから処刑人の人達に攻撃してもらいますぅ。
わたしのHPが減った時は『祈りを捧げる』で回復してもらいますねぇ。

前(前衛)の人達が壁になって、処刑人の人達が固まったら、わたしは茨の領域奥義で処刑人の前側の人達を攻撃しますぅ。
処刑人の人達に超締め付けを与えることができれば、前衛の人達の負担も減りますから。

アイアンチャージ改を使い切ったら、ケルちゃんには前に出て連爪撃改で攻撃してもらうことにしますぅ。
前衛の人達に比べてHPがちょっと心許ないですが、処刑人の人達を足止めするには前の人数を減らしたくありませんから。

わたしがアビリティを使い切った時は、動かずホーミングクロスボウで攻撃するですよぉ。

前衛が全員行動不能になった場合、撤退するですぅ。
戦闘不能になった人達を連れて、安全な所まで下がらないといけませんねぇ。
向こうも、アリスさんを狙って動こうとするでしょうから、立ち塞がるのをやめれば無視して進んでくれると思いますけどねぇ。




<リプレイ>

 晩秋の夕暮れ時の山道を影が疾走していた。
 七つを数えるその影はいずれも奇怪な装束に身を包んでいた。上から下まで黒ずくめの服、とんがり帽子と一体化した奇妙な紋様付きのフードは途中に空いた穴から無表情な仮面を覗かせている。そしてその手に握られた巨大な鎌。舞い落ちる紅葉の中、そこだけ濃密な『死』の気配を漂わせた集団は、どこかの目的地に向かって迷うことなく進み続けていた。
 突然速度が落ちた。あまり使われていない山道の幅は3メートルもなく、その脇にはまばらに木々が生い茂る斜面が続く。その見通しの悪い道の角を大きく曲がったところで、前方に人影が見えたのだ。先頭に立っていた大柄な影が指で合図をすると、七つの影の位置が一瞬で変化する。一列縦隊から、道に三人を残して左右両翼の林の中に二人ずつ。戦いを前提とした陣形へ。
 そのまま二つの影は接近し、やがて待っていた人影の一つ……久遠・茜(抱きつき甘えん坊な巫女・b57131)が精一杯に声を張り上げた。
「初めまして、私の名前は久遠茜です……あなた方にお話があるため、ここに推参致しました」
 だが相手の動きは止まらない。同じ歩調でさらに進み続け、15メートルを切ったあたりで先頭に立つ大柄な筋肉質の男が仮面を取った。フードの中に見えたのは金髪碧眼、鋭く引き締まった顔は猛禽類を思わせた。
「ギンセイカン、か?」
 10メートル強……その気になれば、すぐに戦闘に入れる距離で完全に足を止める。
「口上があるなら聞こう。何だ?」
 茜たち10人のメンバーの間にほっとした空気が流れる。
「お察しの通り、銀誓館学園の者です。処刑人の方々ですね?」
 意識して丁寧な言葉を使いつつ、巫女服の少女が尋ねた。
「あたしは華音、千鴉羽・華音(華蟲使い・b19017)です。あなたの名前は何ですか?」
「マティアスと呼んでもらおう」
 男から無愛想な答えが返る。
「黒閃のマティアスか」
 念を押す三門・凛華(空間構築士・b55270)に、偉丈夫はわざとらしく礼を取りつつ答えてみせる。
「我が二つ名をご存じとは光栄だ。お前たちも名乗ってやれ」
「フィリップ」「トーマ」「ペトラ」「ヨハン」「ジャコボ」「シモーヌ」
 次々に仮面を取って己の名を告げた6人の顔立ちと声は中学生から高校生ぐらいの年頃のそれで、銀誓館の面々と大差はない。
「…………」
 敵の中でも一番若い少年――フィリップを見つめて遠回・彼方(回り道・b48023)が軽く手を振ってみせると、彼は微妙に首を傾げて左右の仲間に視線を走らせた。
(「答えたいけれど駄目だろうな……って感じね」)
 処刑人とは言っても別に個人までが機械人形ではないことがわかり、彼方は少し安堵した。
「初めまして、大鳥と言います」
 続いて大鳥・芙雪(癒しの盾・b38773)が、あくまでも柔らかな調子で問いかける。
「あなた方が誰も害する気が無いなら通すのも吝かじゃないし、傷つける気ならその意義を今一度良心に問うてほしいと思っている。どうかな?」
「前者が通行を認める条件なら承諾しかねる。処刑すべき者と戦うのは処刑人の務めだ」
 だが、と男は言葉を続ける。
「それ以外の者と戦う気も無い。君らとは関係の無い話だ、素直に通してもらいたい」
 マティアスは大股に歩み出る。が、芙雪たちが封鎖の構えを崩さないのを見て皮肉な笑みを浮かべた。
「交渉は決裂、ということかな?」
「お前たちと敵対するわけではないが、こちらにも都合があるのでね」
 新庄・直輝(不屈の男・b26032)が言い放つと、マティアスの眼がわずかに細まった。
「銀誓館の都合とやらに興味は無いが、立ち塞がるならば排除する」
 マティアスが大鎌を構え、両者の間で一気に緊張感が高まる。
「はぁい、質問! どうしてアリスさんを狙うんですかぁ?」
「ところでその服の装飾の意味って何ですか? 三頭の竜とか……」
 場を和ませるためかあるいは単純に空気が読めないだけか、なぜか同時に発せられたアーリエル・ゴドフィル(小学生ヤドリギ使い・b61892)と華音の質問に、場の緊張感がいきなり失速する。
 微妙に表情を歪めたマティアスは二人を見比べ、からかうように尋ねた。
「答えれば通してくれるのか?」
 ぶんぶんと首を横に振るアーリエル。
「残念ながら駄目ですぅ」
「ならば答えられん……と言いたいが、まあ良かろう。銀誓館にはこちらから聞きたいこともある」
 何か言いたげに近寄る処刑人の少女を指の合図で下がらせ、マティアスは大鎌の石突きを地面に突き立てて一行に相対する。空いた左手でフードの上の紋様を指して見せた。
「装飾の話だが、鎌の説明は不要だろう。三頭の竜は、かつて奪われた我々の至宝『黄金の林檎』を守るものだ」
「メガリス、ですか」
 華音は納得したようにうなずいた。
「アリスについては、任務だとしか答えようがない。邪悪と、それに与する者は滅ぼさねばならん」
 まだ納得がいかない風のアーリエルだったが、追求しても無駄だろうと見切った三門・凛華(空間構築士・b55270)がぶっきらぼうに別の問いを放つ。
「俺から聞きたいことが一つある。朝露のシリウスはどうしている?」
 コルシカの旧遺跡街道の戦いで現れた少年についての問いに、マティアスは微妙に眉をひそめつつ答えた。
「シリウスだと? あの軟弱者なら英国に渡ったはずだが、それがどうかしたか?」
「そうか……俺は、今はそれさえ聞ければいい」
 来たのはやはり穏健派ではなく強硬派か、と考えつつ凛華は質問を打ち切った。代わって威勢良く声を張り上げたのは熱田・智延(白き破断の剣神・b29725)だ。
「今回の来訪もカリストの命令か? なんでそんなにカリストに心酔してんだァ?」
 マティアスが大きく首を横に振る。
「命令されたからではない、我らに主などいない。先ほども言ったように、それが我らの務めだからだ」
 貴様らにも同様の務めはあろう、と言いたげな調子で肩を竦めてみせる。
「そして別に心酔はしていないが、清廉騎士殿の意向は尊重している。彼は正論を語りその通りに行動するからだ。敬意を払うのは当然だ」
 情報を素早く頭の中で整理した摂氏・利紋(高校生土蜘蛛の巫女・b29129)が口を挟む。
「ということは、アリスを狙うのはカリストの意向ということね?」
 さらにアーリエルも問う。
「そうなんですかぁ?」
「自由に解釈するがいい」
 それきり口をつぐんで鎌の石突きで軽く大地を叩いたマティアスに向かい、銀色の髪をなびかせた少女が進み出た。
「レナ・ストレイハイム(廃墟と楽園・b50229)と申します。一人の吸血鬼として質問させていただきます」
 金色の双瞳で相手の碧眼を見つめる。
「何故、吸血鬼を狙うのです? 身に覚えの無い罪で追い掛け回されるのは理不尽ですわ」
「吸血鬼が我々に何をしたか、知らなければ許してもらえるとでも?」
 答えたマティアスの眼に嘲りと……微かな憎しみの色が混ざった。
「個々には良き者もいるかも知れんが、種族全体で見れば貴様らは間違いなく邪悪だ。少なくとも邪悪の種だ。放置すればゴーストを束ね人々を蹂躙し、世界を滅ぼそうとする」
 決めつける言葉に流石にレナの表情に不快な色が浮かんだが、自制する。
「どうかお聞かせ下さい」
 次いで尋ねたのは茜。最初に声を掛けた時と同じく真摯な瞳で問いかける。
「世界結界を壊せばどうなるか知っているのですか?」
「無論だ、そんな事を許す気はない。その為の処刑だ」
 大鎌を掲げてみせるマティアスを見て茜は首を傾げた。自分の知っている話と、どこかに矛盾があるように思えた。
「ではお聞きしますが、あなたのやろうとしている事は……正しいとお思いですか?」
「どこが正しくないと言うのだ?」
 明快な回答に茜の疑問はさらに深まった。相手の答えに嘘はなく、その眼に狂気の色は無いように見えた。
 では、なぜ?
 茜は必死で解答の糸口を探ろうとした。
「もしかして、皆さんと私たちの間には誤解があるの……」
 カン。
 会話のさなか、前方のどこからか響いた小さな金属音に気づいた利紋は敵の7人全体を見回した。
 そして愕然とした。いつの間にか、おそらくは気づかれないように少しずつ移動した個々の敵の位置。自分たちの位置。これは……。
「避けろ!」
 警告の叫びは間に合わなかった。
 七つの大鎌が前触れも無しに一斉に掲げられ、振られた。
 黒い刃から分かれて虚空を裂いた七つの半透明の刃は、反応すらできぬ能力者たちを瞬間的に蹂躙した。その首に、頭に、胴に、腰に、次々に食い込み、命を削り取りながらなおも進み、軌道の先の獲物にさらに襲いかかる。
「あ……」
 言葉を紡ぐ途中の茜がのけぞり、倒れた。その前にいた華音も白燐蟲を解放する間もなく大地に崩れ落ちる。アーリエルのケルベロスが主人をかばうように軌道の一つに立ちふさったが、処刑の刃は獣の身体を無情に貫き主へと食い込みその意識を暗黒へと落とす。ある程度警戒していた凛華は警告には反応したが、三つの刃の集中点にいては抗いようもなかった。
 一瞬にして4人と1匹が戦闘不能……そして群れ飛ぶ刃は残りの者たちの身体をも抉り、かなりの傷を負わせていた。
「くぅっ」
 自身も浅傷を受けた利紋は歯がみした。敵は会話に応じていたのではない、会話に集中させつつ少しずつ仲間の位置を調整して必殺の一撃を放つ態勢をつくっていたのだ。
 直線上の敵をまとめて穿つ敵の能力については、少なくとも自分と他の数人は警戒していた。だが処刑人たちが見せた連携は想定を遙かに超えていた。わずかな目配せ、何気ない仕草だけで言葉も交わさず配置を整え、全員が瞬間的に静から動へ、会話から戦闘に移る様は、まるで優れたリーダーに率いられた狼の群れのような。いや、例えるならばむしろ。
「軍隊……」
 それが処刑人全体の特性なのか、マティアスという男の実力なのかは不明だが、確実なのは一瞬にして銀誓館側が窮地に陥ったということだ。
「人数で勝りながらその利点も生かさない。会話にかまけ敵全体の動きを見てすらいない。その程度で我ら処刑人に挑むか、この素人どもが」
 低い声で嘲弄しつつマティアスが突進。倒れた者を容赦なく踏み越え、気力だけで起き上がった茜に大鎌を叩き付けた。
「!」
 今後こそ言葉もなく倒れ伏す茜。
「それとも噂に聞く日本人の平和ボケか!」
 続いて利紋に向かって鎌を振り上げたところへ智延が割り込む。
「勝負はこっからだ! 俺がテメェらの断罪の刃ごと総て断ち切ってやんぜッ!」
『天叢雲』と『草薙』の二刀を打ち込みつつ挑発する。さらに駆け寄ってきた処刑人と銀誓館の面々が交錯し……。
「何よこれは」
 状況を見て取った彼方がうめいた。智延、直輝、芙雪にレナの前衛4人にマティアスを含めた処刑人の4人が当たり、その後方から2人がギロチンの刃とダークハンドを智延に向ける。シモーヌと呼ばれた少女はヤドリギの祝福らしき技を使い回復を担当する。銀誓館の回復主体の布陣に、処刑人は正反対の攻撃陣形をぶつけてきた格好だった。
「まずいわ……これは、まずい」
 古の祖霊の力を智延に送り続けつつ、彼方は現状打開の方策を考えた。
 あと2人。いやせめて1人いればこちらの回復能力か攻撃力のどちらかに余裕を出せた。そうすれば均衡を破る一手が打てたはずだ。しかし今や余力はなく、しかも初撃のダメージの影響で攻撃に回すべき手数すら回復に回さざるを得ない。つまるところはジリ貧だ。
「覆せるとすれば……」
 前衛の誰かが一撃で敵を仕留めるしかない。彼方がちらと横を見ると、赦しの舞を舞い続ける利紋の顔にも焦りと苛立ちが見えた。
 だが現状の変化は逆の形で訪れた。
「ぐぅッ!」
 マティアスの大鎌を避けた智延に、二つのギロチンの刃が同時に命中した。
「その程度で……断罪……なんざ……」
 なおも挑発の言葉を口にしながら智延は地に伏した。マティアスは彼を一瞥し、隣の直輝に向かう。後方の2人の目標も同時に変わる。
「これは……きつい、が!」
 立て続けに打撃と刃を打ち込まれ、直輝は吼えた。
「ただでは終わらん!」
 彼方の祖霊の力を受け、何本目かのギンギンパワーZも飲み捨てて、肩を直撃した打撃にも構わず前へ進む。ほぼ零距離で放たれた弧を描く蹴りは、敵の少年の顎を完全に捉えた。
「そん……な……」
 倒れる少年を避けたところへマティアスが迫った。鎌と見せて拳の一撃。脇腹に叩き込まれた拳は見かけの数倍の衝撃を伴っていた。
「ここまで……か」
 崩れる直輝とマティアスの動きを横目で見た芙雪は、目の前の敵を無視して向き直り魔風を放つ。
「止まってくれ……!」
 逆巻く風はマティアスをよろめかせ痛撃を与えたが、その足を止めるには至らない。だが「吸血鬼は敵」と宣言した相手の乱入を、レナはむしろ晴れ晴れとした表情で迎え入れた。長剣と日本刀の二刀を構え直す。
「私の舞、避けられるかしら……?」
 輪舞のごとき優雅な歩法から繰り出される剣の技がジャコボとマティアス、処刑人の巨漢二人に向かって次々に繰り出される。その流れに逆らうように大鎌が叩き込まれ、虚空の刃が、黒い腕が白いコートに包まれたレナのたおやかな身体を捉える。利紋と彼方と二人の援護を得て、レナはその攻撃のかなりの部分を受けきって見せた。
 しかし。
「我らの攻撃を耐え抜くその執念は賞賛に値しよう。だが!」
 マティアスの叫びと共に刃が闇に包まれた。「黒閃」の字名の二つの由来……その閃光のごとき戦術、ではないほうのもの。
「ハァッ!」
「ふッ!」
 闇の軌跡はレナの輪舞の軌跡と重なった。ジャコボを薙いだレナの剣がわずかに早くマティアスの肩を捉えるが、大鎌の斬撃は少女を袈裟懸けに斬って捨てた。
 残るは3人。
「待て!」
 地面から鋭い声がかかった。先の攻撃で倒れた凛華が、髪に泥をつけたまま上半身を起こしていた。
「我々の負けだ……行きな。邪魔して悪かったな」
 凛華を見、さらに動きを止めた残り3人を眺めてマティアスは薄く笑った。
「降伏か。良い判断だ、仲間は大切にせねばな。ペトラ、報告を」
 こちらも即座に戦闘を止めた処刑人たちの中から、副官らしき少女が駆け足で近寄る。
「フィリップは戦えません。他は戦闘に支障はありませんが、敵を考えると万全を期すべきです」
 マティアスは自らの肩の傷に手を当てて一瞬考え、即断した。
「ならば怪我をシモーヌが治し次第出発。フィリップとシモーヌは後から来い。かなり時間を食われた……まさかあの状態からここまで粘られるとはな。個々の戦闘力はつくづく侮れんな」
 最後の言葉は直輝たちに向けられていた。
 そして軽傷者に治療が施され、5つの影が疾風のように先行し、肩を支え合う2つの影がそれに少し遅れて山道の向こうに消えて行った。敗北宣言から3分とたっていなかった。
 こういう敵かよ、と内心で歯ぎしりしつつ凛華は怪我の痛みに耐えて携帯電話を取り出す。アリス班に急を告げるためだ。幸い電波状態は良いようだったが。
「つながらない? 向こうの問題か?」
「信号弾を使いましょう。急がなければ危険です」
 駆け寄った芙雪に凛華は即座にうなずき返し、差し出された手を取って立ち上がった。
 そして簡易発射機に『失敗』を告げる黒の信号弾が装着された。残光が残る空に向かってそれは尾を引いて上がっていき、大音響と共に大量の黒い煙を吐き出した。
「……信号が無い。あちらは成功ね」
 利紋が呟いた。吸血鬼の館に向かった者たちは無事に目的を達したようだった。
 どこか放心したように空を見上げる10人の少年少女たちの上に、やがて雨が降り出した。雨は次第に勢いを増し、空の煙も、地面に残る激闘の跡もまとめて洗い流し始めた。
「処刑人の人たち……銀誓館の敵に回るんですかねぇ」
 金色の髪が濡れるに任せ、彼らが去った方向を見遣りながら、アーリエルが誰にともなく言った。
 答えはなかった。

 戻ってきた聖女アリス。
 顔無き騎士カリスト。
 新たな動きを見せる吸血鬼たち。
 そして処刑人。
 数々の謎に囲まれた銀誓館に、明日はまだ見えない。


マスター:九連夜 紹介ページ
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いまいち
参加者:10人
作成日:2009/11/24
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重傷者:なし
死亡者:なし
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