韓米FTA:見直し示唆発言、野党が猛反発(下)

 農民保護策を講じることを前提に韓米FTAに賛成した自由先進党の李会昌(イ・フェチャン)総裁も、「大統領が再交渉を示唆した以上、政府・与党が早期批准を急ぐ理由はなくなった」と強く批判。その上で、「米国が一貫して自動車分野の再交渉を要求したのに対し、(李大統領が)再交渉の意思があると答えたと見るほかない」との見方を示した。同日開かれた国会外交通商統一委員会でも、李大統領の発言のあいまいさに対し批判の声が上がった。自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員は「われわれは受け入れるべきことは受け入れたのに、これ以上どんな話を聞こうというのか。大統領に外交的な発言はどうすればいいのか、記者会見ではどう話せばいいのか、アドバイスしたほうがいい」と皮肉った。

■政府「再交渉、追加交渉ではない」

 大統領府(青瓦台)と政府は一斉に「再交渉はない」と火消しに回った。李大統領が記者会見で突然自動車の話題を切り出したのではないか、との野党の疑念に対し、大統領府関係者は「米国側にFTA批准を促すための条件を整えようと、大統領が事前に準備を行い、原則論的に言及したものだ。協定文を修正することはない」と説明した。

 柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官も国会で、「米国が(自動車分野に)問題があると言っておきながら、問題の内容を(具体的に)示さないため、積極的に攻勢に出たものだ」と説明。民主党の朴柱宣(パク・ジュソン)議員が「米国が再交渉を要求しても、応じないのか」と質問したのに対し、柳長官は「その通りだ。米議会を説得しようとする積極的なプロセスだと考えてほしい」と答弁した。ハンナラ党の金晟祚(キム・ソンジョ)政策委員会議長も「米国側の不満を聞き、意見を交換しようというレベルであって、直ちに再交渉や文案変更を意味するものではない」と指摘した。

 一方、与党内部からも「米国が再交渉を公式に求めていないにもかかわらず、大統領が誤解を与える発言をした理由は分からない」という批判論が出ている。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

辛殷珍(シン・ウンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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