韓米FTA:韓国自動車業界「米国は問題点示すべき」

 韓国自動車業界は韓米自由貿易協定(FTA)における自動車部門の再論議の可能性について、米国は正確に何を修正したいのか、明確に示すべきとの立場を取っている。

 李明博(イ・ミョンバク)大統領が「米国側が自動車部門に問題があるというなら、再度話し合う用意がある」と述べたのも、「問題が何なのか具体的に示せ」という意味だ、と業界は解釈している。

 一部では、韓国政府がFTA批准を早く進めるため米国の顔を立てようとしているのではないかとの推測も出ている。自動車輸出で米国輸出の割合が依然として30%に達し、政府・業界が米国の要求を無視するのは難しい状況だ。しかし「何かしてあげたくても、これ以上何もしてあげられない」との意見が支配的だ。

 自動車輸入関税の場合、現在韓国は8%、米国は2.5%だ。FTAが発効すれば、韓国はすべての車について直ちに関税を撤廃するが、米国は排気量3000cc以下の車は即時撤廃、3000cc超は3年の猶予期間を設けた。トラックは現在、韓国の輸入関税が10%、米国は25%で、米国の関税障壁の方がはるかに高い。

 韓国は協定発効後に関税を即時撤廃する反面、米国は10年にわたって段階的に撤廃する。韓国の完成車メーカーのある幹部役員は、「韓国が米国車の輸入関税をマイナスにできるわけがないではないか」と語った。

 FTA自動車交渉に関与した業界関係者によると、韓国政府が米国側に対し、自動車交渉で何を修正してほしいのか教えてほしいと求めたが、米国側は具体的な修正内容を示していないという。

 米国の政治家が指摘する韓国の「非関税障壁」についても、韓国の業界では、「米国の政治家は1980年代の思考から抜け出せずにいるようだ」と指摘する。

 排気量によって5段階に区分されていたものを3段階に簡素化し、個別消費税も2000cc以上(10%)と同未満(5%)の差を段階的に撤廃することで合意した。安全・環境標準についても、安全基準は年間6500台以下で米国基準に適合していれば、無条件で輸入できるようにした。環境基準も米国基準を十分反映させることで双方が合意したため、問題になるものはないという反応だ。

 韓国自動車工業協会のキム・テニョン通商協力チーム長は、「自動車部門の再論議の可能性は、米国側が具体的に何を修正してほしいのか示した後に考慮しても遅くはない」と語った。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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