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デートDVを防ごう!〜人権擁護委員会、高校生対象に講演会開く
(11月22日付け)
恋人間での暴力行為「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)」を防ごうと、紋別人権擁護委員会は高校3年生を対象にした人権啓発教室を開いている。男女間の力の平等性が崩れ、束縛や強制、それに対する許容を愛情表現と誤解するなどして、結果として心や身体に大きな傷を負うこともあるデートDV。同委員会では「将来においてもDVの被害者にも加害者にもならないように、どんな行為がデートDVであり、人権侵害になるのかを知ってもらいたい」と話している。
19日には紋別高校の3年生を対象に開催。元紋別南高教諭の加藤洋子さんが講師を務め、高校生のデートDVを描いたビデオ映像を見せたり、生徒の代表2人にデートDVのきっかけとなり得る場面の演技をさせるなどして、身近な問題であることを示した。
デートDVには、殴ったり髪を引っ張るなどの身体的暴力、携帯電話をチェックしたり相手の行動を制限する精神的暴力、相手を馬鹿にしたりする言葉の暴力、金銭にまつわる経済的な暴力、それに性行為などを強要する性的暴力などがある。内閣府が10〜20代の未婚男女を対象に行った調査では、行動制限(21・7%)、言葉による暴力(13・2%)、電話やメールにすぐ応じず怒られた(38・8%)などのDVが確認された。受けてしまった暴力に対しても、「暴力を振るわれる側にも悪いところがある」「愛情から暴力を振るうこともあり得る」と答えた人がそれぞれ10・1%と5・9%いて、容認してしいる人も少なからずいることが分かったという。
加藤さんは、こうした調査結果などを説明したほか、デートDVが起きる原因についても解説。力と支配、暴力容認、ジェンダー・バイアス(男らしさ・女らしさに対する社会的偏見)を背景に発展してしまう例が多いという。最後に「自分も相手も尊重する関係を築くことが大切」として、特に加害者になりやすい男子には「共感・思いやり」、被害者になりやすい女子には「自分の気持ちをはっきり言うことと、自己決定権の尊重(特に性的自己決定権)」を強調していた。
(高校生カップルを描いたビデオ映像などからデートDVを学んだ=写真=)
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