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【政治】

自民、国会対応にブレ 「最強の野党」ほど遠く

2009年11月23日 朝刊

 野党転落後、初の本格的な国会に臨んでいる自民党。守り中心だった与党時代から攻めに転じ、成果を出そうと腐心しているが、不慣れな印象は否めない。強硬姿勢で急襲してきた巨大与党に「数の力」を見せつけられ、無力感も漂っている。

 「もう勝手にやってくれという気分だ」

 中小企業金融円滑化法案の採決強行に向け、与党が次々と強硬策を打ち出してきた19日。猛反発した自民党は、議院運営委員長らの解任決議案を提出して抵抗したが、採決を引き延ばすのが精いっぱいで、国対幹部はあきらめ顔だった。

 野党の国会対応は、審議で政権与党を追い込む「追及型」と、審議拒否などの物理的抵抗で相手に日程面で圧力をかける「抗戦型」に大別される。どちらを優先するかで戦術も変わってくる。

 しかし、自民党内は当初から意見が分かれ、揺れ続けた。予算委審議を計6日間確保できたことで、まずは追及型、最終局面で抗戦型という方向に傾いたが、予算委の後は鳩山由紀夫首相の出席を勝ち取れず「守りは強いが攻めは弱い与党の体質」(幹部)から抜け切れていないことを示した。

 しかも、仕掛ける前に与党が豹変(ひょうへん)した。金融法案の対応をめぐり、執行部が採決には反対しつつ、別の法案審議に応じる方針を決めると、代議士会で「中途半端だ」と異論が噴出。浜田靖一国対副委員長が「みんな頑張っているんだ」と激怒する場面もあり、足並みの乱れも露呈した。

 ただ、すべては経験。「最強の野党」を目指す自民党は、まだ第一歩を踏み出したばかりだ。

 (原田悟)

 

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