ニュース特報

2009年11月19日号

【検察と政治】
小沢氏の資金管理団体「陸山会」にまた、疑惑、本誌編集長のコメントA


●産経新聞配信記事
 産経新聞は19日7時56分、「小沢氏裏金疑惑 政治とカネ、政権直撃か 土地購入資金も不透明」という見出しで次の記事を配信した。
 民主党の小沢一郎幹事長にゼネコンからの裏金疑惑が18日、東京地検特捜部の捜査で浮上した。鳩山由紀夫首相は資金管理団体「友愛政経懇話会」の“故人献金”問題で、元公設秘書が特捜部に政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で刑事告発された上に事情聴取を受けるなど周辺捜査が続いており、鳩山政権を「政治とカネ」の問題がダブルで直撃する可能性も出てきた。西松建設のダミー献金事件でも発覚した小沢氏側とゼネコンとの不透明な関係について、特捜部は解明を進める方針とみられる。

 小沢氏の資金管理団体「陸山会」をめぐっては、平成16年に約3億4千万円で購入した土地代金を、翌年分の収支報告書に記載していた問題も発覚。政治資金規正法違反(不記載など)罪で、事務担当者だった石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=らが特捜部に告発されている。

 土地購入費について小沢氏側は、16年分の陸山会の収支報告書に記載されている4億円の定期預金を担保にした金融機関からの同額の融資を充てたと説明しているが、定期預金の原資を明らかにしていない。

 特捜部は西松建設のダミー献金捜査を契機に、こうした小沢氏周辺の資金の流れを洗い出しており、事件性の有無を慎重に調べているとみられる。

 一方、陸山会の会計責任者だった公設第1秘書、大久保隆規被告(48)が3月、西松建設からのダミー献金の政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で特捜部に逮捕、起訴されたが、小沢氏はこの際、「従来のやり方を超えた異常な手法」「異例の捜査」などと反発し、現在も大久保被告を公設秘書にとどめたまま。大久保被告側も来月から始まる公判で否認の方針とされる。

 また、中堅ゼネコン「水谷建設」元会長の水谷功受刑者(64)=法人税法違反(脱税)罪で服役中=は、贈賄側とされた前福島県知事、佐藤栄佐久被告(70)=上告中=の汚職事件の1審で証言台に立ち、「わいろという認識はない」と述べ、検察側の主張と食い違いをみせた経緯がある。

 水谷受刑者は佐藤被告の逮捕前、特捜部の聴取に「ダム工事受注の謝礼だと思った」と認める供述をしていたとされ、証言の“ブレ”を危惧する捜査関係者もいるという。


●本誌編集長のコメント
「いま東京地検特捜部は危機的状況である。財政経済班は機能しているが、特殊直告1.2班は十分とは評価しがたい。建て直しを要する事態だと思う。
 そもそも、東京地検特捜部は結果を出して初めて評価、批判の対象となる存在である。疑惑があっても捜査は十分にしないことが一番悪い捜査だ。検察は民主党政権から独立した存在なのか、鳩山、小沢問題は民主党政権を助ける存在なのか。が問われる捜査となろう。」

戻る