見てみたい


HさんとAさんとTさんが3人で…飲み会をやっていた時の事です。

A:『なぁ…この前…俺、…見ちゃったんだよ…』
H:『何を?』
A:『その…、幽霊ってやつを…昨日の夜に…』
それを聞ぃたTは爆笑した。
T:『幽霊なんか、いるわけねぇじゃん!』
A:『…本当に見たんだ!…』
恐々と顔を引きつらせた友人を察し、Hは…
H:『俺もそういう話は信じ難いけど…まぁ、実際にAも見たって言ってるんだし…』
T:『はっ。信じるなんてばかみたいじゃん!幽霊なんてもん見てみてぇょ!』
A:『…………。』
H:『……いい加減にしろって!』
その時の友人、Aのひきつり、血の気がひぃて青白くなってぃる顔を今でも覚ぇてぃる。
Tは、それをあざ笑うかのようにAを小ばかにしてぃた。

飲み会も終わり…
Aさんの家を出た頃です。
H:『なぁ…A、顔が青白かったけど…大丈夫かな?』
その言葉を聞き、Tは乗ってぃた自転車を止めた…。
T:『どうせ、俺達を怖がらせるための演技だろ?』
H:『おい!俺達も長ぃ付き合いだし…Aが、あんな事を真剣に話すか?』 T:『どうだかな…。』
H:『そんな事言って…幽霊が出てきても知らねぇぞ?』
T:『さっきも言ったけど、そんなもんがこの世にぃるなら是非、見てみたいね。』
H:『……』

HはTと家の方向が違うので、その話をしをし終わるとすぐに、別れました。
Tは自転車をこぎ家へと向かいました。
夜の冷たい風が…身体を、鋭く突き刺すかのようにTの体をすり抜けて行きます…。
Tは、身震いしながら…自転車を早くこぎました。

そして…家に付き…
自転車をしまおうと、倉庫に自転車を持って行きました。
倉庫の取っ手に手をやった時…さっき、友人が言ってぃた幽霊の話を思ぃ出しました…。
Tは苦笑いし、思い切って取っ手を引き、中へ入ると…
すぐ前に、髪は振乱し…顔は、傷だらけで…
血が通っていないくらい真っ青な顔をした女が立っていました。
女は、Tに向かって…
『…ねえ…信じた?…ねえ…。』
と、ヘリウムガスを吸ったヨウナ声デ話シカケテキマシタ…。


投稿者 マロン