【ワシントン=岡田章裕】米議会で中国の為替政策に対する批判が高まっている。
人民元安によって流入する安価な中国製品で米製造業が苦境に陥っている事態を放置できないという政治的な思惑が背景にあるとみられる。
米議会の米中経済安全保障見直し委員会が19日公表した年次報告書は「中国政府による強い介入で人民元は極めて過小評価されている」と批判し、米政府に「中国により柔軟な為替政策をとるよう迫るべきだ」と求めた。
米議会の公聴会でも政府の姿勢を問う質問が相次いでいる。グラスリー上院議員(共和)は20日、米財務次官補(国際金融担当)に指名されたチャールズ・コリンズ氏に対して「中国の為替操作は世界経済の回復を妨げている。どう対応するつもりか」と不満をぶつけた。
来秋の中間選挙を控えて産業界支援を打ち出したい米議会が批判の矛先を中国に向けた側面もありそうだ。