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東証の上場廃止企業数 過去最多に迫る勢い

2009年11月22日20時2分

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 今年、東京証券取引所(第1部、第2部、マザーズ)の上場廃止が決まった企業は22日時点で76社にのぼり、過去最多だった2002年の82社に迫る勢いで推移している。世界同時不況で経営環境が厳しさを増し、破綻(はたん)を理由にした上場廃止が目立つ。

 東証によると、民事再生手続きや会社更生手続きなど、経営破綻が原因で上場廃止を今年申請した企業は計13社。パシフィックホールディングスやダイア建設など不動産・建設関連が多い。SFCG(旧商工ファンド)やロプロ(旧日栄)など商工ローンも目立つ。05〜07年は破綻による上場廃止は0〜3社だったが、金融危機が起きた昨秋以降に急増。08年は16社に達したが、今年もその流れは止まっていない。

 経営環境の激変を背景に企業の再編が進み、企業合併・買収(M&A)や完全子会社化などの理由で上場廃止を決めた企業は、すでに08年と同じ計52社にのぼる。例えば、明治製菓と明治乳業は4月に経営統合して持ち株会社を設立し、持ち株会社の上場に合わせて傘下の2社が上場廃止となった。

 近年は東証で取引の少ない外国企業の上場廃止が増える傾向だったが、今年は現時点で仏金融大手BNPパリバ1社にとどまっている。

 一方で、東証に上場する企業数も伸び悩んでいる。今年1月から10月末までの新規上場企業は、わずか20社。06年の114社に対し、07年は68社、08年は54社と下降線をたどる。上場廃止が増え、新規上場が大きく減るなかで、東証は市場活性化をどう進めていくのか、難題を抱えている。(畑中徹)

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