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見聞記

 ペットボトルのふたを回収し、再資源化を図る「エコキャップ運動」。収益金でポリオ(小児まひ)などのワクチンを買い、途上国の子どもたちにプレゼントしている。3年ほど前から横浜市の民間ボランティアが始め、関東を中心に全国に広がっている。この運動を県内でも普及させようと、2人の母親が取り組みを始めた。「世界の子どもたちを笑顔にしたい」。そんな思いに支えられた2人の活動は静かに賛同の輪を広げている。


 運動を進めている八郎潟町の主婦北島香苗さん(29)と井川町の団体職員工藤由美さん(33)は、それぞれ3児と2児の母だ。インターネットの書き込みで知り合った2人は昨年末から別々にふたを集めていたが、話し合いを重ねるうちに自分の子どもを思う気持ちが徐々に外に向き始め、ことし3月に運動の母体となる「I LOVE E&C事務局」を発足させた。

 北嶋さんは次男が神奈川県の病院に入院していたときにこの運動を知り、2カ月間、毎日回収ボックスにふたを入れ続けた。そのたびに、それまではあまり気にすることがなかった思いが強まった。

 「途上国ではワクチンが手に入らないために明日まで生きられない子どももいる。途上国の子どもたちのために少しでも役に立ちたい」

「エコキャップ運動」に取り組む工藤さん(左)と北嶋さん親子

 帰県後、自身が所属している子育てサークルなどを通じて支援の輪が徐々に広がり、今では県内の33団体が協力を申し出ている。

 活動を始めることで子どもたちに負担がかかるのではないか、と反対されたこともあった。だが「自分の背中で子どもたちに命の大切さを教えたかった」と北嶋さん。

 ふたの回収ボックスを置いている潟上市飯田川の「まこと調剤薬局」の加賀谷誠さん(41)は「商店街の人が1個から持ってきてくれる」と関心の高さに驚く。

 北嶋さんたちは地元でリサイクルの輪を完結させることにもこだわっている。回収したふたを再資源化するためトラックなどで関東のリサイクル工場に輸送すれば、その分温室効果ガスが余計に発生する。

 このため能代市のリサイクル業者と交渉して、ふた800個(約2キロ)につきワクチン1人分に当たる20円で引き取ってもらい、それを東京のNPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」に送ることにした。ふたはプラスチック用品として約90%リサイクルできるという。

 これまでに北嶋さんらの元には約4万4000個、ワクチンにして54人分のふたが集まった。協力を呼び掛けてからまだ3カ月。予想を超えて運動が広がった。

 身近で簡単にできる回収活動だが、県内の自治体で回収してリサイクルに充てているのは北秋田市や能代市、羽後町、上小阿仁村、東成瀬村などに限られ、ほとんどの自治体で家庭ごみとして捨てられている。

 「リサイクルすれば環境にも、世界の子どもたちにも手を差し伸べることができる」―2人はこう訴える。

 回収ボックスは秋田市の遊学舎や県児童会館、ナイス追分店などにも置いている。事務局メールアドレスeandc@live.jp

(2008.6.8付)

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