11月21日(土)
午後6:30〜6:50
「女子大生村長 奮闘す」
-中国・高傑村-
再放送予定
11月24日(火) 午後6:15〜6:35
11月25日(水) 午前9:15〜9:35
11月29日(日) 休止
ピンクの洋服を着て、ピアスをつけて、グロスを塗る。そんなどこにでもいる19歳の女の子。それが今回の主人公、白一彤(ハク・イートン)さんだ。彼女は黄河流域の農村で今年一月に誕生した、中国最年少の「女子大生村長」なのだ。
ふるさとの農村を黄河流域で一番豊かにしたいと、村再生の公約を掲げ活動を始めてから10ヶ月。村では特産品のナツメが真っ赤に色づき、経済の起爆剤とするため初となるイベント「ナツメ祭」が開催されていた。白さんは、公約の一つであるナツメ出荷用の農道を完成させるなど、村長として着実に成果を上げる一方、古くから続いてきた人間関係や、目先の利益を優先する中国の農民かたぎなど、思うようにいかない農村改革に、悩みを抱えていた。
時には村民から罵られ、怒りを爆発させる白さん。女子大生である白さんが村長として困難に立ち向かい、若さと持ち前の強気な行動力で奮闘を続ける姿を追う。
菊地喜孝
東放制作
初めての中国だった。
西安国際空港に降り立つと、砂ぼこりの匂いが鼻をかすめる。日本にもやって来る黄砂は、この辺りの砂なのだ。僕的中国の匂いは「砂ぼこり」だ。
取材中は、食事を村の農家でご馳走になった。どの家庭でも食卓に薬味としてパクチーがあった。客人をもてなすべく、家主によって強制的に山盛りにされる。僕的中国の味は「パクチー」だ。
日本とのギャップに驚き通しの取材だったが、一方、主人公白さんに目を向けると、村長であることを除いて日本の女の子と変わらない。部屋にはぬいぐるみが並び、ホラー映画をDVDで見てキャーキャー言う(しかも日本のホラー映画)。髪にはストレートパーマをかけているそうだ。
取材最終日、彼女は「村に同年代の若者が少ない。取材に来てくれて本当に嬉しかった」と言った。普通だったら恋人とデートでも楽しむ年代の白さん。村での生活は本音を言うとさびしいらしい。農村の高齢化問題を痛感するとともに、取材を彼女自身が楽しんでくれたことが、僕自身何よりも嬉しかった。こちらこそありがとう、白さん。