<「ルールある経済社会へ」 さらば「財界中心」の政治>最低賃金(中)/大企業の“反対理由”
2009-11-17 08:17:22 テーマ:電子版にない「しんぶん赤旗記事」 gataro-cloneの投稿下のバナーをそれぞれクリックしてください
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「ルールある経済社会へ」/さらば「財界中心」の政治/最低賃金/中/大企業の“反対理由”
2009.11.05 日刊紙 8頁 経済 (全1,057字)
「(ことしの最低賃金額改定は)マイナス目安とすべきだ」「生活保護との乖離(かいり)解消は凍結を含めて検討すべきだ」-。生活保護すら下回る水準の地域が残されている最低賃金。7月の中央最低賃金審議会(最低賃金の改定目安を協議する厚労相の諮問機関)でこのように主張し、最低賃金の大幅引き上げに反対した人たちがいます。日本の代表的な企業で構成する日本経団連です。
会長はキヤノン、副会長は新日本石油、三菱商事、パナソニック…。日本経団連の役員を構成するのは名だたる大企業ばかり。こうした企業では非正規を含めて、最低賃金水準での雇用が多数を占めることは考えられず、最低賃金を大幅に引き上げても負担が急増することはまずありません。
体力は十分に
「大企業が最低賃金の引き上げに執ように反対している理由は、中小企業の低賃金利用の『うまみ』が削減されることを恐れているからです」と解説するのは日本大学名誉教授の牧野富夫さんです。
牧野さんは「最低賃金の改善が国民的な関心事となっています。これは最賃闘争を大きく前進させる絶好のチャンス到来といえるでしょう」と強調します。(牧野さんの話の詳細は別掲)
半分が指導料
「10人のアルバイトに、平均すると時給900円を出しています。現状ではこれ以上は無理」というのは神奈川県内でコンビニを経営する近藤菊郎さんです。
近藤さんの店では9月に1300万円の売り上げがありました。しかし、利益はわずか60万円。「ここから借入金の返済などをします。私の給料は28万円で、売り上げが少ない月は妻の給料で調整します」(近藤さん) 近藤さんは経営の苦しさの一因にコンビニ会計の不明朗さがあるといいます。「本部は廃棄品の原価も売り上げに加えて計算し、粗利の半分近くをロイヤルティー(本部に支払う指導料)としてもっていきます。仕入れも本部が一括して行うので原価が見合うかどうかもわかりません」 コンビニ本部は十分な体力があります。たとえば、コンビニ最大手、セブンイレブンの持ち株会社、セブンアンドアイホールディングスの08年度業績資料によれば、コンビニ事業はイトーヨーカドーなどスーパー事業の8倍もの営業利益を上げています。「本部とコンビニ加盟店の関係を見直せば、時給を引き上げることができると思います」(近藤さん) (つづく)
しんぶん赤旗