2002年8月の興行には8万人以上が集まった 大みそか合同興行か まずファンありき大みそかにDynamite!!(K―1&DREAM)と戦極がさいたまスーパーアリーナで合同興行を開催する可能性が高まった。正式発表はまだで、各団体のトップは口を閉ざしているが、その方向で動いていることは間違いないらしい。 当初の予定ではDynamite!!がさいたまスーパーアリーナで、戦極が東京・有明コロシアムの同日興行。首都圏の格闘技ファンはどちらに行くか迷ったことだろう。合同興行が実現すれば、一転して吉田秀彦―石井慧、魔裟斗の引退試合などが同時に見られることになる。 吉田―石井の試合は全国中継がない状況だったが、TBSによって全国の茶の間に流れることになりそう。夢のあることなので、細部を煮詰めてできるだけ早く発表してほしい。 今回のようなメジャー団体同士の合同興行は、K―1とPRIDEによって2002年8月に国立競技場で行われた大会以来。あの時は1度切りに終わり、8万人以上の観客動員とPPVの視聴者10万人という熱狂を次につなげられなかった。今度こそ大同団結へとつなげ、格闘技界を盛り上げてほしい。 なぜ、あのイベントが1度きりだったかといえば、合同興行の難しさに一因がある。プロである以上、利益の取り分や、試合順序などによってどちらが主導権をとった大会であるかというイメージの問題などさまざまな衝突が起こってしまう。ファンからすれば、「そんなこと、どうでもいいじゃない」と思うような小さなことでも折り合いがつかないこともあるとか。まずファンありきの話し合いを望みたい。 今回の合同興行は、さいたまスーパーアリーナでの開催になりそうだ。戦極が譲った形だが、それによって戦極の評価が下がるかといえば、そうではない。「戦極はファンのことを第一に考えている」と評価が上がりこそすれ、下がることは絶対にない。 単独興行に比べれば収益が下がったとしても、「損して得を取る」の言葉のように、長期的に見れば絶対にプラスになると思う。いずれにせよ、久しぶりに大みそかが楽しみになってきた。(格闘技ライター・樋口郁夫) 【共同通信】
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