脂質・脂肪酸

栄養の欠乏症や過剰症を防ぎ、健康の維持と増進に必要なエネルギーや摂取量を示した「日本人の食事摂取基準」は、1969年に定められて以来、食生活の変化や研究成果に基づいて5年ごとに改定されています。脂質においては、1日の総摂取エネルギーに対する総脂質の割合だけでなく、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸のn-6系とn-3系、コレステロールの基準値が設定されています。

脂質・脂肪酸・コレステロールの食事摂取基準

食事摂取基準で示される脂質は、3食平均して摂取すべきものです。また、脂質は脂肪酸の種類によって、貯蔵エネルギーになったり、便通の改善、肌のハリを保つなど生理作用の違いがあるため、摂取量よりも質を重んじてバランスを考慮する必要があります。


脂質・脂肪酸の摂取比率

総脂質の食事摂取基準

年齢(歳)1日の目標量 (%)上限量
0~5(月)50(※1)
6~11(月)40(※1)
1~1720以上30未満20以上30未満
18~6920以上25未満20以上25未満
70以上15以上25未満15以上25未満
妊婦20以上30未満
授乳婦20以上30未満

資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より

(※1)目安量

1日の必要エネルギー量は、エネルギー代謝ページの「年代別推定エネルギー必要量」を参考にします。

飽和脂肪酸の食事摂取基準

年齢(歳)1日の目標量 (%)上限量
0~11(月)
1~17
18以上4.5以上7.0未満4.5以上7.0未満
妊婦4.5以上7.0未満
授乳婦4.5以上7.0未満

資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より

10歳以上で、血中LDL-コレステロール値が高い場合、動脈硬化が進行する可能性があるので、飽和脂肪酸摂取量の制限を含めた対策が望まれる。

n-6系脂肪酸の食事摂取基準

年齢(歳)1日の目安量 (g)目標量(%)
男女共
0~5(月)4.0
6~11(月)5.0
1~26.06.0
3~58.07.0
6~79.08.5
8~99.010
10~111111
12~141310
15~171411
18~29121018歳以上
10未満
30~49119.5
50~69109.0
70以上8.07.0
妊婦9.010未満
授乳婦1010未満

資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より

小児については、目標量の定めがありませんが、成人の値を参考にして、過度な摂取は避けることが望ましい。

n-3系脂肪酸の食事摂取基準

年齢(歳)1日の目安量 (g)目標量(%)
男⁄女
0~5(月)0.9
6~11(月)1.0
1~21.11.0
3~51.51.5
6~71.61.6
8~91.92.0
10~112.12.1
12~142.62.1
15~172.82.3
18~292.6以上⁄2.2以上
30~492.6以上⁄2.2以上
50~692.9以上⁄2.5以上
70以上2.2以上⁄2.0以上
妊婦2.1
授乳婦2.4

資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より

コレステロールの食事摂取基準

年齢(歳)1日の目標量 (mg)上限量
0~11(月)
1~17
18以上750未満600未満
妊婦600未満
授乳婦600未満

資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より

10歳以上で、血中LDL-コレステロール値が高い場合、動脈硬化が進行する可能性があるので、コレステロール摂取量の制限を含めた対策が望まれる。

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