世界ボクシング協会(WBA)は19日、コロンビアで開催している総会で、同フライ級王者デンカオセーン・カオウィチット(33)=タイ=と、亀田大毅(20)=亀田=の再戦を認めることを決定した。大毅は10月にデンカオセーンにきん差判定で敗れ、判定を不服としてWBAに再戦を要求していた。亀田ジムは来年の1月か2月にタイトル戦開催を目指しており、近日中に王者陣営と交渉に入る。挑戦者として名乗りを上げていた元同級王者・坂田健史(29)=協栄=の挑戦は見送られ、条件付きでデンカオセーン-大毅の勝者との対戦が内定した。
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WBA総会に出席したJBC安河内剛事務局長によると、亀田ジムがWBAに提出した再戦要求の書類には不備がなく、10月の試合が接戦だったことで、協議の上に再戦が認められたという。
王者への挑戦者としては、元同級王者の坂田が名乗りを上げていた。10月中旬には協栄ジムの金平桂一郎会長がタイに出向き、王者陣営と契約を交わした。だが、WBAは、坂田が現在、1階級上のスーパーフライ級でランクされていることから、この契約書を無効とし、大毅を挑戦者として“指名”した。
一方でWBAは今後、坂田がフライ級で試合をし、同級で世界ランク入りした場合、デンカオセーン-大毅戦の勝者に90日以内に挑戦することを義務付けた。金平会長は「ルールなので従います。1月ぐらいに試合をさせて、来春には世界戦ができるようにしたい」と青写真を明かした。
大毅が王座を獲得すれば、来春にも初防衛戦で古巣協栄ジムの先輩との因縁対決が実現する。昨年の大みそかにデンカオセーンに敗れて王座から陥落した坂田は、6月の再起後は2連勝。王座返り咲きを目指し、まずはフライ級での世界ランク入りが当面の目標となる。
すでに再戦へ向けて始動している大毅は「前回の試合では自分の力を半分も出せなかった。自分も悔しかったけど、家族にも悔しい思いをさせてしまった。自分にとっては3度目の世界戦。家族や応援してくれる人たちのためにも、3度目の正直で必ず世界を取りたいと思います」と王座奪取を誓った。