中邑戦に向け余裕の表情でマッサージを受ける永田=都内
「新日本」(12月5日、愛知県体育館)
IWGPヘビー級王者・中邑真輔(29)に挑戦する永田裕志(41)が21日、「過去と戦う」と誓う王者に対し「過去の“人”と戦う、と勘違いするなよ」と一喝した。
終結した“猪木問題”にも「もし本当に、今の猪木さんと戦っても、それが何になる。自分でギャラ数億円と会場を用意して『さあ猪木、オレと戦え』とやるべきだった。猪木さんがアリと戦った時みたいにな。それが『過去と戦う』ということだろう」とダメ出し。王者の思想を教育する貫録を見せた。
怒りの原因は9・27神戸大会だった。王者に就いた中邑は「輝きが足りない」とIWGPの価値低下を訴え、アントニオ猪木との一騎打ちを要求。永田は「最初は(前王者)棚橋のことを指していると思ったら、違うみたいだね。オレにはベルトはひたすら『重い』だったけどね」と語った。
永田が10度の連続防衛記録を達成した時期に、長州力や武藤敬司が離脱。苦境の中で、自ら100万円以上のチケットを手売りしたこともあった。「オレがチャンピオンで『客が入らなくなった』とは絶対言われたくなかった。記者をつかまえて、記事を書いてもらってPRもした。中邑もそれくらいやってみせろよ」。かつての付き人への“口撃”は、自らの誇りを伝える手段でもある。
(2009年11月22日)