蒼国来 中国出身36年ぶり新十両に
<大相撲九州場所・7日目>荒汐親方(左)と握手を交わす蒼国来
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中国出身で、東幕下筆頭の蒼国来(そうこくらい)が十両の琴禮(ことゆたか)を寄り切りで破り無傷の4連勝。勝ち越しを決め、来年初場所(1月10日初日、両国国技館)での十両昇進を確実にした。中国出身では1974年の清乃華以来2人目、内モンゴル自治区からは初の関取。荒汐部屋にとっても創設8年目で初の関取となった。幕内は両横綱と平幕・嘉風が全勝を守り、1敗は琴欧洲と平幕・栃ノ心の2人となった。
初土俵から7年での悲願に向け、迷いはなかった。十両昇進がかかった一番。蒼国来は右の上手を奪うと左のかいなを返し、十両の琴禮を一気に寄り切った。東の幕下筆頭で迎えた今場所、4連勝で勝ち越し。中国出身力士では36年ぶり、内モンゴル自治区からは初の新十両を確実とし「全然緊張はしなかった。自分の相撲を取りきることだけ考えていた」と笑みを浮かべた。支度部屋にやってきた師匠の荒汐親方(元小結・大豊)に祝福されると、少しだけ目を潤ませた。
内モンゴルでは少数派のモンゴル族。子供の頃からモンゴル相撲に親しみ、レスリングでは全国8位になった。しかし、03年の入門当初は大相撲独特の立ち合いに戸惑い、寂しさと不安から部屋を抜け出して遠い故郷を思う日々を送った。そんな時、救いの手を差し伸べてくれたのが、同じ祖先を持つモンゴルの力士たちだった。「先輩からたくさんアドバイスをもらった。絶対に関取になりたかった」。来日当時は食事が合わず周囲を心配させたが、ご飯にヨーグルトをかけて食べる努力が実り、当時70キロだった体重も125キロに。出世の要因となった立ち合いの強化につながった。
現在、角界には両横綱をはじめ34人のモンゴル出身力士がいるが、モンゴル族の人口は内モンゴル自治区の方が多いという。さらなる出世を目指す“パイオニア”は「内モンゴルという地域があることを皆さんに知ってほしい」と胸を張った。
◆蒼国来 栄吉(そうこくらい・えいきち)1984年1月9日、中国・内モンゴル自治区生まれの25歳。7歳からモンゴル相撲を始め、16歳で全国制覇。レスリングでも中国ランク8位になった。03年4月にスカウトされ、6月28日に来日して荒汐部屋に入門。同年秋場所で初土俵を踏んだ。家族は両親と妹2人。1メートル85、125キロ。血液型O。
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