今後、JALが私的整理をする可能性もありますが、そこで銀行がどれだけ負担をするのか。それを注意して見る必要があります。
もちろん日本の銀行がボロボロになって、また金融不安が起こるというのはよくないことではありますが、銀行側にもJALに資金を貸した責任はあります。金利も取っています。
また、株主の責任を問わないのもおかしな話です。さらに言わせていただくと、JALの問題は政策投資銀行の審査能力の問題にも関わってきますから、こちらにも責任があります。
そういうことが、このままではあやふやになってしまうのです。
JALが立ち直ればいい問題かもしれませんが、先程も申し上げたように、厳しい経済環境の中で、問題が先送りされるだけになる可能性もあります。
すると、国民の負担をさらに大きくした上に、どこかで破綻してしまうということもあり得るわけですから、ここで一旦、民事再生手続きや会社更生手続きなどの法的整理をしたほうが、すっきりしていいのではないでしょうか。
それでもやらないということであれば、裏があると思った方がいいでしょう。
誰が損をし、誰が得をするのか。この問題では、表向き上はJALの社員やOBということになっていますが、実はそうではありません。新聞記事を深く読むことで、表面では見えないものが見えてくるのです。(つづく)