生食用食肉の衛生基準
全国的に見ると、腸管出血性大腸菌O157食中毒の原因として、生レバー等の喫食や加熱不足のこれらの食品の喫食、調理工程でのこれらの食品から二次汚染を受けた他の食品の喫食等が多く見られます。
日本では、レバー等を生食することが食生活の一部に定着していることもありますが、消費者が安心してこれらを食することができるよう、国において「生食用食肉の衛生基準」が策定されました。
と蓄場や食肉取扱施設(食肉処理業、食肉販売業、飲食店営業)において「生食用食肉」を提供する場合は、以下の衛生基準を遵守し、処理する必要があります。
また、この衛生基準によらず処理された生食用食肉を食べることは、リスクを伴いますので、生で食べることは避け、必ず加熱して食べましょう。
【注意点】 1 「生食用」と表示されていない食肉は、基本的に加熱して食べてください。 2 生食用レバーの加工基準に適合していると畜場及び生食用食肉の出荷実績のあると畜場は、全国に数箇所しかありません。生食用であるかどうかについては、食肉の表示、販売店や飲食店では問い合わせるなどにより確認してください。 |
生食用食肉の取扱状況(平成20年度実績)
(1)生食用レバーの加工基準に適合していると畜場及び出荷実績
自治体 |
と畜場名 |
出荷実績 |
新潟市 |
新潟市食肉センター |
|
長野県 |
佐久広域食肉流通センター |
|
福岡県 |
県南食肉センター |
○※ |
福岡県 |
うきは市と畜場 |
○※ |
熊本県 |
千興ファーム食肉センター |
○※ |
熊本市 |
熊本市食肉センター |
○※ |
(注)「生食用食肉等の安全性確保について」(平成10年9月11日付け生衛発第1358号)に基づく生食用食肉の加工基準目標のうち、肝臓の処理について適合していると畜場を指す。
(※)生食用レバーの出荷実績は馬レバーのみ
(2)生食用食肉の出荷実績のあると畜場
自治体 |
と畜場名 |
青森県 |
(株)青森畜産公社津軽食肉センター |
福島県 |
会津食肉センター |
郡山市 |
(株)福島県食肉流通センター |
宇都宮市 |
(株)栃木県畜産公社 |
山梨県 |
(株)山梨県食肉流通センター |
長野県 | 佐久広域食肉流通センター |
高知市 |
高知県広域食肉センター |
福岡県 |
県南食肉センター |
福岡県 |
うきは市と畜場 |
熊本県 |
千興ファーム食肉センター |
熊本市 |
熊本市食肉センター |
※いずれの施設も、生食用食肉の出荷実績は馬肉のみ
生食用食肉の衛生基準(概要)
この基準では、「生食用食肉の成分規格目標」、「生食用食肉の加工等基準目標」、「生食用食肉の保存等基準目標」及び「生食用食肉の表示基準目標」が示されています。
1 生食用食肉の成分規格目標
牛・馬の肝臓・肉で、生食用食肉として販売:糞便系大腸菌群及びサルモネラ属菌が陰性
2 生食用食肉の加工等基準目標
(1)とちく場における加工
ア 一般的事項
生食用食肉出荷とちく場:と蓄場法等に規定されている施設基準や衛生管理基準の遵守
イ 肝臓の処理
加工等処理基準に示されている方法による処理
(2)食肉処理業・食肉販売業の営業許可を受けている施設における加工
加工等処理基準に示されている方法による処理
(3)飲食店営業の営業許可を受けている施設における調理
加工等処理基準に示されている方法による処理
3 生食用食肉の保存等基準目標
(1)保存又は運搬時の容器の基準
(2)保存又は運搬時の温度管理の基準:冷蔵10℃以下(4℃以下が望ましい。)冷凍 −15℃以下(−18℃以下が望ましい。)
4 生食用食肉の表示基準目標
この基準に基づき処理した食肉を生食用として販売する場合の表示
(1)食品衛生法施行規則第5条の表示基準
(2)次の事項を容器包装の見やすい位置に表示すること。
ア 生食用である旨
イ−1 とさつ、解体されたとちく場の所在する都道府県名(輸入品の場合は原産国名)
イ−2 とさつ、解体されたとちく場名、又はとさつ解体されたとちく場の所在する都道府県名(輸入品の場合は原産国名)
イ−3 とさつ、解体されたとちく場番号
ウ−1 加工した食肉処理場の所在する都道府県名(輸入品の場合は原産国名)
ウ−2 食肉処理場名(食肉処理場が複数にわたる場合はすべての食肉処理場名)