CSRブログ

CSR戦略の方程式

第47回「CSR−イオンの社会的責任」

イオンの反省という広告、コマーシャルをよく見かける。このイオンの反省の意味を今回は述べてみたい。これはセブン&アイに対抗するためにイオンの岡田社長が打ち出したイオンの戦略である。

イトーヨーカ堂はスーパーの売り上げが不振で、これが影響し、セブン&アイは赤字決算である。そこで打ち出した策が、セブン&アイのイトーヨーカ堂はお客が不用品を一品持って来店し、3千円以上購入した人に、500円のキャッシュバックいうキャンペーンを開始し、これは成功をした。イトーヨーカ堂のキャッシュバックキャンペーンへの消費者の反応はイオンの経営者には脅威と思えたのではないか。

イオンのまじめさは主婦には非常に評価されている。イオンの経営方針はEDLP(エブリディロープライス)でいつでも安くていいものを提供することを信条としている。特別なバーゲンセールの時にだけ安くするのではなく、イオンはいつも安くてよいものを売りますということだ。昨年石油の価格が高騰した時も、低価格路線を愚直に貫いた。このようなことが今まで消費者の信頼を獲得している理由だ。

しかし、イオンは7年ぶりの赤字である。米国の子会社である婦人衣料のタルボット社の不振や、国内では、生活必需品、衣料関係商品への不振が響いた。新しい商品提案と低価格が打ち出せなかったことによる。これに対抗する戦略が「イオンの反省」というキャンペーンである。イオンのEDLP戦略も石油価格が安定してデフレ傾向の中では、今ひとつインパクトが欠ける印象を顧客に与えていた。

 「顧客満足業」これがイオンの経営哲学であり,CSRの本質なのだ。4月1日のイオンの新聞の全ページ広告「イオンの実行」はイオンの価格が、今の時代にあった低価格かどうか、見直しを怠っていたという内容で、生活必需品を中心に5100品目を一斉に値下げする宣言をした。

これはイオンが「顧客満足業」に徹していたかの反省である。顧客を満足させるといいながらそれができていたかという自らの厳しい反省をし、消費者に低価格路線をアピールした。「イオンの反省」は「顧客満足業」という原点であるイオンの社会的責任を改めて世の中に宣言したものである。

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