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株式 [ 企業を知るには製品から ]
【第93回】
「トップバリュ ヌードル しょうゆ味」
- 経済状況が厳しくなる中、食費を節約する人も多いでしょう。一方で食の安心・安全の関心は高まるばかり。そんな中、生活の基本アイテムを安心品質&お買い得価格で届けてくれるイオンのプライベートブランド「トップバリュ」。約5,000品目のラインナップの中でも、特に人気の「トップバリュ ヌードル しょうゆ味」。その開発の舞台裏をお伺いしてきました。
「トップバリュ ヌードル しょうゆ味」ポーク・チキンベースのしょうゆ味77g 88円。
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こだわりをカタチにする「トップバリュ」
食塩・砂糖・着色料・保存料を使用していない「トップバリュ 野菜と果実のジュース100%」。
- 個性化・多様化・簡便化・コミュニケーション化が進む中、1994年、「お客さまのふだんの生活をより良く」との思いからプライベートブランド(以下、PB)「トップバリュ」を誕生させた同社。「トップバリュ5つのこだわり」に基づいて企画・開発し、国内外のメーカーに製造を委託。
- 5つのこだわりとは、(1)お客さまの声を商品に生かします (2)安全と環境に配慮した安心な商品をおとどけします (3)必要な情報をわかりやすく表示します (4)お買い得価格でご提供します (5)お客さまの満足をお約束します、というものだ。
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おいしさを徹底的に追求
- 「『トップバリュ』では、発売当初からお客さまの声を生かした商品づくりに取り組んできました。そして2005年にお客さまの声をもとに『トップバリュ』ブランドからカップ麺を発売しました」とイオントップバリュ株式会社グロッサリー商品部長 東 広健氏。
- 商品開発でこだわったのは、代表的なナショナルブランド(以下、NB)商品と同等以上の品質にするための商品設計だった。
- 「麺に含まれる旨味成分の分析をはじめ、スープづくりでは麺とのバランスのためにエキス、香辛料、アミノ酸など数十種類のものを何十回と試しました。また、かやくも一つひとつの具材を吟味し、NB商品以上に食感にもこだわり“おいしさ”を追求。さらに『安全・安心』な品質を提供するため使用する原料にも徹底的にこだわりました」
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トータルとしての味づくり
食物アレルギー・遺伝子組換え・栄養成分などをはっきり表示。
- 「高品質&低価格を実現できたのは、自社物流でのコストダウンをはじめ、例えば麺は使用する小麦から開発したことがあげられます。最適な仕様のものを決め、機械メーカーと何度も打ち合わせし、安定製造、品質向上を目指して工場の製造ライン設備まで見直しました」
- その結果、麺の食感、具材(えび、たまご、肉、ねぎ)の量などNB商品と同等以上の品質とボリューム(味、見た目、重量)でありながら低価格を実現。
- 「商品開発で一番苦労したのは、トータルとしての味づくりでした。カップ麺では当然ながら麺、スープ、かやくの全てが揃ってはじめて一つの商品として成り立ちますから」
- パッケージも、NB商品と同等以上の品質と“おいしさ”を訴求するために写真を入れ、具材や味をシンプルにわかりやすく表現。また、カラーは醤油のイメージ色であり、売場で目立つ『赤』をセレクトしたそうだ。
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時代にあった価格へ進化
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- 「経済環境が厳しい状況に向かい、実質経済が悪化する中、個人消費の状況が一段と厳しくなるでしょう。お客さまの生活防衛意識が日々高まる時こそ小売業として、お客さまを起点として価格戦略・PB戦略・調達戦略を推進していきたいと思います」
- 今や「トップバリュ」は、PB商品としての位置づけから、一つのブランドとしての認知を得るまでになった。
- 「これからもお客さまにご満足いただける商品を低価格で提供することで、お客さまの豊かな暮らしを実現したいと考えています。
- 具体的には、『安全・安心』の担保を取りながら、かねてより取り組んでいるグループのスケールメリットの活用やIT・物流などインフラ整備によるコストの削減、円高メリットの還元として値下げを実施。また2009年夏ごろにかけて『トップバリュ』衣食住約5,000品目のうち2,200品目の低価格化を加速し、お客さまと価値を共有したいと思います」
- 経済状況が厳しい時代だからこそ、本物だけが残る。その舞台裏で知恵を絞り続ける人々の心意気は消費者に届くだろう。今後の商品展開にさらに注目だ。
- 執筆:QBR、掲載日:2009年月6月8日
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