No.0066000018:2009年01月13日 掲載 | ||
スーパーマーケットの顧客満足に関するマーケティングデータ1 |
利用しているスーパーについて、地理的、時間的、物理的に便利であること以外で、満足度が高いのは、スーパーの「店内の清潔さ」「店内の雰囲気」「店内の分かりやすさ」「店内の動きやすさ」「全体的品質・鮮度」「全体的品揃え」「会計の際の対応」「従業員の親切な対応」である。 |
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ジャスコ・イオンは他の店舗より、「店内の雰囲気」「店内の清潔さ」「店内の分かりやすさ」「店内の動きやすさ」の評価項目において非常に満足している人の割合が高い。 |
【内訳】
10代男性・・・41件 10代女性・・・41件
20代男性・・・42件 20代女性・・・43件
30代男性・・・42件 30代女性・・・43件
40代男性・・・42件 40代女性・・・43件
50代男性・・・43件 50代女性・・・42件
60代男性・・・40件 60代女性・・・42件
2.スーパーマーケットに対する総合満足度と個別満足度
3.スーパーマーケットに対する個別満足度(年代別)
4.スーパーマーケットに対する満足度(利用店舗別)
5.スーパーマーケットに対する満足度(利用頻度別)
6.知人への推奨意向
1.スーパーマーケットの利用状況
徒歩でスーパーに行く人は来店するまでの所要時間が短く、利用頻度が高い
■スーパーマーケット(以下、スーパー)に行く交通手段としては「徒歩」が最も多く、全体の45%を占める。次いで「自動車」(35.9%)、「自転車」(33.5%)の順に多く、電車、バス、バイクで来店する人はいずれも5%以下であった。
■スーパーを利用するのは「週1〜2日」という人が全体で最も多く、週3日以上利用するのは3割程度である(「週3〜4日」23.0%+「週5日以上」7.3%)。女性に絞ってみると、週3日以上の利用が約4割を占める(「週3〜4日」29.9%+「週5日以上」10.2%)。
■徒歩で来店する人は、他の交通手段を使う人に比べて利用頻度が高く、週3日以上利用する人が4割を超える(「週3〜4日」29.1%+「週5日以上」11.5%)。次いで自転車での来店者の利用頻度が高い(「週3〜4日」24.9%+「週5日以上」7.7%)。自動車の場合には、週1〜2日利用という人がほとんどである(53.6%)。
■スーパーに来店するまでの所要時間の平均は9.10分。交通手段別にみると、最も短いのが徒歩で、平均7.18分。次いでバイク、自転車の順である(バイク:平均8.00分、自転車:平均8.58分)。電車で来店する人の所要時間は、徒歩の3倍近い21.00分であった。
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2.スーパーマーケットに対する総合満足度と個別満足度
「営業時間」「行きやすさ」には満足、「ポイントカード」には物足りなさを感じている
■利用しているスーパーに対する総合満足度が「非常に高い」と回答したのは全体の5.2%。「高い」という人も含めると、満足している人は45.3%に上る。年代別にみると、総合満足度が最も高いのは60代で、6割近くの人が満足している(「非常に高い」8.5%+「高い」50.0%)。一方、10代は、満足度が高いと答えた人が3割程度であった(「非常に高い」2.4%+「高い」28.0%)。
■具体的に個別評価項目をみると、最も満足度が高いのは「地理的な便利さ・行きやすさ」で、「非常に高い」という人は3割を超える。次いで、「営業時間」(29.6%)、「駐車場の利用のしやすさ・広さ」(26.4%)と続いている。地理的、時間的、物理的に便利なスーパーというのが利用の必須条件であることがわかる。それ以外で満足度が高いのは、「店内の清潔さ」「店内の雰囲気」「店内の分かりやすさ」「店内の動きやすさ」「全体的品質・鮮度」「全体的品揃え」「会計の際の対応」「従業員の親切な対応」で、いずれも4割以上の人が満足している(「非常に高い」+「高い」)。満足度の低さが目立ったのは「ポイントカード」で、26.4%に上る(「非常に低い」16.9%+「低い」9.5%)。次いで満足度が低いのは、「欲しい商品の値引き」(「非常に低い」4.8%+「低い」20.6%)。
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3.スーパーマーケットに対する個別満足度(年代別)
30代は「店内の雰囲気」「店内の清潔さ」「店内の分かりやすさ」に満足
■スーパーに対する個別満足度(「非常に満足」)を年代別にみると、「従業員の親切な対応」では30代と60代の満足の高さが目立つ(14.1%、15.9%)。「売出し商品の品揃え」、「店内の雰囲気」、「店内の分かりやすさ」については、特に30代で非常に満足している人が多くみられる(15.3%、16.5%、14.1%)。「店内の清潔さ」については、20代、30代、60代の満足度が高く、いずれの年代も約20%程度である。「駐車場の利用のしやすさ、広さ」については、40代の満足度がやや高い(27.1%)。
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4.スーパーマーケットに対する満足度(利用店舗別)
総合満足度が高い「ジャスコ・イオン」の利用者は店内の雰囲気・清潔感に特に満足している
■利用しているスーパーで回答の多かった「イトーヨーカドー」「ジャスコ・イオン」「西友」「ダイエー」の4つについて、店舗別に満足度を比較したところ、総合満足度が「非常に高い」という人の割合が最も高く(8.6%)、「低い」という人の割合が最も低かったのは(1.7%)、ジャスコ・イオンである。一方、西友で満足度が「非常に高い」と答えた人は一人もいなかった。
■ジャスコ・イオンは、他の店舗より店内の雰囲気・清潔感についての満足度が高く、特に「店内の雰囲気」「店内の清潔さ」「店内の動きやすさ」では4分の1以上の人が非常に満足であると答えている。また、「営業時間」に対しても、非常に満足している人が43.1%と最も多い。イトーヨーカドーは、特に「地理的な便利さ・行きやすさ」「駐車場の利用のしやすさ・広さ」に対する満足度が高く、非常に満足という人の割合はそれぞれ34.9%、28.3%と高い。
■ジャスコ・イオン、西友の「ポイントカード」に対する満足度は低い。特に西友では「非常に低い」という人が多く、30%に達する。イトーヨーカドーやダイエーと違い、クレジット払いでしかポイントがつかないことが原因のひとつと考えられる。
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5.スーパーマーケットに対する満足度(利用頻度別)
ヘビーユーザーとミドルユーザーの総合満足度はほぼ変わらず、ヘビーユーザーが満足しているのは「営業時間」「行きやすさ」
■スーパーの利用頻度が週3日以上の人を「ヘビーユーザー」、週1〜2日の人を「ミドルユーザー」、週1日未満の人を「ライトユーザー」として3グループに分け、満足度を比較したところ、ヘビーユーザーとミドルユーザーの総合満足度が高い人の割合はほとんど変わらない。しかし、ライトユーザーで満足度が高い人は少なく、29.5%にとどまる(「非常に高い」3.3%+「高い」26.2%)。
■ヘビーユーザーは「営業時間」「地理的な便利さ・行きやすさ」について、「非常に満足」という人の割合がそれぞれ36.6%、42.5%と、満足度が高い。ライトユーザーはヘビーユーザーやミドルユーザーに比べ、ほとんどの評価項目で、「非常に満足」と感じている人の割合が低く、「どちらともいえない」という人の割合が高くなっている。
■スーパーに来店するまでの所要時間は、ヘビーユーザーが平均7.06分なのに対し、ミドルユーザーが平均9.10分、ライトユーザーが平均11.66分であった。来店までに時間がかかるほど、利用頻度が低いことがわかる。
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6.知人への推奨意向
総合満足度が高い人ほど、そのスーパーを知人に勧めたい度合いも強い
■自分の利用しているスーパーを知人に勧めたいと思うかどうか尋ねたところ、全体の過半数が「どちらともいえない」と回答し、「非常に思う」または「思う」という人の割合は、合わせて37.1%だった。
■総合満足度「高い」「どちらともいえない」「低い」の3段階に分け、それぞれの評価ごとに知人への推奨意向を比較したところ、総合満足度が高いグループの約7割が知人に勧めたいと思っているのに対し、満足度が低いグループでは一人もいなかった。総合満足度が高いほど、知人に勧めたいと思う度合いは強く、逆に総合満足度が低いほど、知人に勧めたいと思う度合いは弱い。
■同様に今後も利用したいと思うかどうかの度合いを比較したところ、推奨意向と似た傾向が見られた。総合満足度が高いほど、今後も利用したいと思う度合いは強いということがわかる。
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データの総括
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■利用しているスーパーマーケットは、地理的に行きやすく、物理的に入りやすく、時間的に利用しやすい、という条件を満たしている店である。そうした条件を満たす店が競合して存在する場合、生鮮食料品をメインの販売品目とするスーパーでは、「店内の清潔さ」、「安全、安心への配慮」、「全体的品質・鮮度」などの安全性が重要視される。食品を扱う店舗における「安全」、「清潔」に対する消費者の要求はますます厳しくなろう。価格や値引き、品揃えでは差別化が難しくなっている今、安全性への対応で差別化すること、環境に対する配慮をアピールすることなどは、効果的かもしれない。
■クレジット払いでしかポイントがつかないスーパーの満足度は低い。スーパー以外でも、支払形態に関わらずポイントが付与されることが当たり前になってきており、消費者にとってそれがスタンダードになっている。したがって、消費者のもつスタンダードのレベルから劣るサービスは評価を下げる。顧客がイメージする同ジャンルのサービスの中で、その時代に大量に供給されているサービスが競争上のスタンダードになるため、サービスが進化すれば顧客満足のスタンダードは変化する。そうした変化にどう対処するか、企業は常に対応を迫られる。
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