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【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 静かな日本人

2009.11.21 03:21
このニュースのトピックス外信コラム

 このところタクシーに乗ると、日本人と知って運転手から「申し訳ない」「恥ずかしい」とよくいわれる。釜山・室内射撃場での火災による日本人旅行客の犠牲に対しわびているのだ。韓国人にはこういう“情”にもろいところがある。

 だから一方では韓国人は感情的で激しいといわれる。つまり感情に正直で感情を抑えようとしない。その結果、喜怒哀楽が分かりやすい人たちともいえる。韓国人の激情ぶりは、事故・事件の現場などでよく目撃できる。とくに家族や身内が犠牲になったときの嘆き、悲しみぶりは爆発的でさえある。

 大声で泣き、叫び、天を仰ぎ、胸をたたき、身をよじり、地に倒れ伏す。そして時には失神する。この姿は多くの外国人を驚かせる。韓国人の特徴といっていいだろう。

 そんな韓国人にとって、釜山の事故での日本人遺族たちの姿はたいそう印象的だったようだ。日本でそうであるように、彼らは肉親を失った悲しみにもかかわらず韓国人のように泣き叫ばず、実に静かだったからだ。多くのメディアが「普通の日本人の節制された姿」に感心している。

 その背景として日本人の「人に迷惑をかけない」という教育や「悲しみを外に出さないことが美徳」とする価値観などを指摘している。ある記者は「現場で日本人遺族たちが見せてくれた毅然(きぜん)とした姿と節制された言動は長くわれわれの記憶に残るだろう」と書いている。(黒田勝弘)

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