財務省の野田佳彦副大臣は記者会見で、10年度に改定時期を迎える診療報酬を引き下げる方向で予算編成に臨む意向を明らかにした。予算編成の過程を公開する試みの一環として、財務省の主張をインターネット上のホームページでも同日公開。ほかの主な事業についても毎週、考え方を公表するという。
野田氏は、医師らの人件費や物件費について「民間給料が伸び悩み、(公務員給与を左右する)人事院の勧告もマイナス2.4%。ドクターだけが高止まりでいいのか」と指摘した。
記者会見やネット上では、病院の勤務医より開業医の年収が1.7倍も多いことを示すグラフを提示。全体として報酬を引き下げても、不足している勤務医や産婦人科などには手厚く配分するよう厚生労働省に求める方針を示した。
また、診療報酬の一部を占める薬価についても、成分が同じ後発品がある先発品の薬価を引き下げることで、数%のマイナス改定を要求する。
厚労省は診療報酬の引き上げを主張しており、財務省は今後、両論をネット上で公開する考え。野田氏は「(予算の)議論の経過とともに、(査定に関する情報)内容が厚くなっていくようにしたい」と話した。