ロンドン(CNN) 英国で睡眠中の夢を見続ける中で妻を「絞殺」した夫の事件の裁判が17日開廷したが、英検察当局は20日、「特殊な犯行条件」を考慮し、起訴を取り下げ、男性は無罪の判決を受けた。
被告だった男性のブライアン・トーマスさん(59)は、「侵入者」と戦う夢を見る中で、妻を絞殺していた。検察側は、精神錯乱状態での行為として精神治療施設での拘束を視野に裁判を進めていた。しかし、証拠の新たな精査で被告は釈放されるべきだとの結論に達したとしている。起訴されるべきではないとする、睡眠障害などの専門家の助言も考慮したという。
検察当局によると、似たような事件は世界で50例弱起きているという。
トーマスさんの事件は2008年、2人が英ウェールズ南部をキャンプ旅行中の夜に起きていた。侵入者と格闘する夢で、目覚めると妻の死亡に気が付いていた。この悪夢はトーマスさんが服用していた薬剤の副作用の可能性がある、と専門家は診断もしていた。
英PA通信によると、トーマスさんの兄弟は「彼は愛すべき夫だったし、家族を大事にしてきた」と無罪の判決を歓迎。同様に「非常に悲劇的な事件だった。家族全員の気持ちが揺れている」とも述べた。