毎週日曜日の午前中のみ開かれる中国朝市があるらしい。何でも「日本語があまり通じず、中国語が飛び交っている。」らしい。そりゃいくらなんでもオーバーでしょと思い、梅雨の中休みの猛暑の朝、ちょっと覗いてきました。

（上泉純）

のっけからブタさん生首

朝日の照りつける歩道に置かれた段ボール箱。その中にブタさんの生首が。不思議と怖くもないし、においもない。無念なのか、笑っているのか、中間の表情。カメラを構えていると店のおじさんは、「コレ食べるよ。イート、イート！（食べる仕草）おいしいね。」と明るく言った。

基本はなんでも屋

ブタさんの生首の隣にはあばら肉（スペアリブ）お肉屋さんかと思いきや、その隣には黄色い瓜。その横には調味料のようなもの。すべて先述の「イート、イート！」のおじさんの店である。「うちは肉屋やねん。」といった固定観念はないようだ。

どこどこ歩け

6時半を過ぎると人が増えてきた。この人混みの中をベルを鳴らしまくって突進するオッさん。それをものともせず、買い物を分け合うお母さんたち。多分本場中国の市場もこんなんなんだろう。（行ったことないけど。）

ほんの300メートルほどの市場だが、食べ物と日常生活のあらゆるこまものが売られていた。

なぞのカード
「AT&T」とあったが、アメリカ製のコーリングカードだろうか？

フリーマーケット的雑貨
ござの上に小物が並んでいると、つい座り込んで見てしまう。

縦置きCDショップ
コンパネに両面テープで貼ってあるようだった。

安すぎる米
通常底値は10kg2980円くらい。それを大幅に更新。

その店構えがゲリラ的
開店前のラーメン屋の店先に、キャンプ用テーブルとブルーシートで本日開店。

アーティスティックなディスプレイ酒・タバコ
どっちも販売には免許がいるはずだが、没問題？

ブタさんはばら売り、鶏さんは目を閉じ観念の様子
段ボール箱に無造作に放り込まれた豚足、顔が付いたままローストされた鶏さん。
ここでも無念の表情が感じ取れる。

おなかが空いたので…

1往復しただけでぐったりである。昨日の晩は自転車で飲みに行って、5時に起きて、朝から猛暑で、なのにブタさんは静かにほほえむし、シャンツァイ（香菜）の香りは強烈だ。その全てが私を空腹にする。

というわけでこんなものを食べてみた。

「豆腐脳200円」店のおっちゃんは日本語ができないようなので看板を指さして購入。かなり日本ぽくない。

注文すると大きなポリバケツを開けて、中からひしゃくで豆腐をすくって丼に入れた。くみだし豆腐だ。そして別のポリバケツから澄んだおだしをすくってかけてくれた。総重量500gくらいか。結構重い。エースコックのスーパーカップよりも。

私が要領を得ない様子を見て、おっちゃんは親切にも唐辛子とシャンツァイをどばっ、どばっとトッピングしてくれた。うう、シャンツァイはちょっとしか食べられないんだけど…と思いつつ、ありがとうを言う。

そこらへんの植え込みのふちに腰掛けて食べる。豆腐、めっちゃおいしい。おだし、上品で豆腐とめっちゃ合う。この世の中のどんな200円の食べ物よりもバリューがあると感じた。でも、唐辛子かけすぎ。食べるにつれてあごの先から汗が垂れる。シャンツァイ、やっぱりかけすぎでした。

半分くらい食べると、汗だくでTシャツの首回りが「おじぞうさんのよだれかけ」のような形に濡れている。が、どうにか完食。（除、シャンツァイ）

次来たら、他のメニューも試してみよう。
（豆漿は豆乳のことのようだし。）

でも、デザートは別腹

そう思えるほどに、目の前でどんどん揚げられていくドーナツのような揚げパンたちはおいしそうだった。ひとつ100円。

その中からおばちゃん達が作っては揚げ、作っては揚げ、しているアンドーナツを買ってみた。感想。これはアンドーナツではなかったです。皮は白玉だんご風でもっちりしている。あんこはかなり甘さひかえめ、というか、全然甘くない。おいしいけれど多分これっておやつじゃないなぁと思いながらも完食。

おなかパンパンになりながらも、今度は冬に来てみたいと思った。おかゆがありそうというのがその理由。こんなにたくさんの日本語を話さない人が、普段はどうやって生活しているのだろうと思ったが、海外の日本人だって似たようなもんだと気が付いた。だからきっとこれでいいのだ。

おまけ・炎天下でこれはよくないと思った。