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衆院選直後、機密費2億5千万円支出…使途は不明

11月20日21時48分配信 読売新聞

 歴代内閣が使途を明らかにしていない官房機密費について、平野官房長官は20日、2004年度以降の国庫からの月別支出額を公表した。

 毎年度4月に2億円が支出され、その後は月1億円程度が支出されていたが、今年は衆院選2日後の9月1日、当時の麻生内閣の官房長官だった河村建夫・衆院議員が2億5000万円を請求して支出を受けていた。政権交代が決まった直後、なぜ突出した額の機密費を引き出したのか、議論を呼ぶものとみられる。

 平野官房長官は、情報公開法で保存が義務付けられている過去5年分の記録のうち、月別支出額は過去の開示請求でも開示しているとして公表した。

 08年度までの5年間、小泉、安倍、福田内閣の歴代官房長官は毎年4月になると、2回に分けて計2億円を請求して支出を受けている以外、5月から翌年2月まで月1回、ほぼ1億円ずつ支出を受けていた。年度末の3月は請求がなく、年間の支出額は約11億9500万円〜約12億3000万円だった。

 今年度も麻生内閣では、4月から8月までは例年通りの支出だったが、8月30日の衆院選で民主党が圧勝した2日後、河村前官房長官から2億5000万円の請求があり、全額が支出されていた。

 これについて、河村前長官の事務所は、前長官が「私の判断。使途についてはこれまでも非開示で現政権にいない者として説明する立場にない。(平野官房長官への)引き継ぎはきちんとやらせていただいた」と話していることを明らかにした。

 一方、平野長官はこの日の記者会見で、河村前長官から官房機密費に関する引き継ぎを受けた後、金庫の中には、現金が全く残っていなかったとした上で、「前政権の官房長官が必要に応じて支出された。国民目線からおかしいと言っても、私の立場でコメントするのは差し控えたい」と話した。使途の公開の是非などについては今後1年間かけて検証する考えを改めて示した。

 ◆…官房機密費…◆ 正式な名称は内閣官房報償費。支出について法的な根拠はなく、歴代内閣は政府答弁で「国の事務や事業を円滑に遂行するため、機動的に使用する経費」と説明してきた。使途の公表や領収書を提出する義務はない。外務省の機密費流用事件をきっかけに、02年度予算で前年を10%下回る14億6165万円に減額されて以来、毎年度同額が計上されている。官房長官に一任されている金額は12億3021万円で、残りは内閣情報調査室の費用に充てられる。

最終更新:11月20日21時48分

読売新聞

 

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