このページでは、Windows 起動不能時に、NTFSパーティションのboot.ini を修正する方法として最も手軽な、EDITBINI 起動ディスクの作成方法ならびに使用方法を紹介します。
起動不能トラブルが既に起きており、なおかつEDITBINI の起動ディスクを作成していない場合には、別の正常な Windows のPC で EDITBINI の起動ディスクを作成し、それを使って、起動不能PCの
boot.ini を修正することが可能です。この場合の『別なPC』というのは、Win 9X系でも構いません。
Windows XP/2000の起動不能トラブルの中でも、boot.ini の記載内容がおかしいために起こるものが比較的多いようです。
⇒boot.ini の役割をご存じない方は、こちらのページをご覧下さい。
実はboot.ini は単純なテキストファイルに過ぎません。もしXP/2000 のユーザーで、まだ一度も boot.ini の中身を見たことがない方がいらっしゃったら、XP/2000のPCで以下のことを確認してみてください。
以上の手順で boot.ini の中身が確認できます。ちなみに、私の boot.ini は以下のようになっています。
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確認が終わったら、中身をいじらずにそのままそ〜っと閉じてください。(自分が初心者だと自覚している方は、先程のフォルダオプションの設定を元通りに戻しておきましょう。)
一方、XPのみの方法ですが、「ファイル名を指定して実行」から msconfig と打ち【システム構成ユーティリティ】を呼び出して、bootini タブを見ることでも boot.ini の中身を確認することが可能です。この方法ならばフォルダオプションの設定に関係なく常に確認できます。しかし、チェックをつけたり外したりすると、即座に中身が書き換えられてしまうので、十分にお気をつけ下さい。
以上のことから、boot.ini が、単なるテキストファイルに過ぎないことが判っていただけたと思います。バイナリデータ形式ではなくテキスト形式だということは、書式さえ理解していれば、ユーザー自身で修正できるということを意味しているのです。
ところで、Windows XP/2000が起動しないときに、どうやってboot.ini を書き換えるかという問題を考えねばなりません。
boot.iniの存在するパーティションがFAT32の場合、MS-DOSの起動フロッピーディスクを使って、boot.ini を書き換えることができます。DOS上で直接
boot.ini を書き換える自信がなければ、あらかじめ起動ディスクの中に、他のPC上で作った正しいboot.ini を含めておいて、そのファイルでオリジナルの
boot.ini を上書きコピーしてしまえば良いでしょう。もちろん、緊急起動ディスクでWindowsを起動してから、Windows上で修正することもできます。
フロッピードライブから起動できない場合は、CD-Rタイプの緊急起動ディスクを使うのが簡単です。それが不可能ならば、回復コンソールで修復します。具体的手順はマイクロソフトの解説ページをご覧下さい。また、KNOPPIXからでも容易に修正できます。
boot.iniの存在するパーティションがNTFSの場合、MS-DOSからでは当該パーティションを認識できません。よって当然MS-DOSでは boot.ini の修正も出来ません。
当サイトでは、この問題に対する対処法として、緊急起動ディスクを薦めています。しかし、あらかじめこのデイスクを作っておかなかった場合には、相当手順が複雑になるのは否めません。
回復コンソールを使えば、FAT32 同様、NTFS でも boot.ini の修正は可能です。起動しなくなった段階で回復コンソールを起動出来ないPCにおいても回復コンソールが使えるように、1CDブート回復コンソールのコーナーも設けました。しかし boot.ini の修正だけが目的であるのならば、もっと簡単な方法があります。それがこれから紹介する EDITBINI
を使う方法です。
EDITBINI はDOS上で動くアプリケーションで、『NTFSパーティションに存在する boot.ini を修正すること』のみを唯一の能力として持っています。たとえば FAT32 上のboot.ini は修正できません。なんとも頑固というか融通の利かないツールです。
しかし、MS-DOS 上で動き、NTFS にある boot.ini を認識し、しかもそのファイルを開いて書き換えられるなどという能力は、背中をびっしょり汗で濡らしながら、起動しない Windows の boot.ini を何とか修正した経験を持つ者からすると、夢のようなソフトなのです。
1.まず、公式サイトのダウンロードページに行って、EDITBINI を入手します。ローカルに保存した zip ファイルを解凍して、editbini.exe を取り出します。この72KBほどの実行ファイル1つだけで機能します。
2.次に、DOSの起動フロッピーディスクを用意します。これは、Win 9x系のものでも、Free DOS でも構いません。
ここでは、意外と知られていない XP/2000 のDOSディスクの作り方を(おまけとして)紹介しておきます。 中身のデータを消しても構わないフロッピーディスクを装填し、マイコンピュータのFDドライブのアイコンを右クリックし、コンテキストメニューから「フォーマット(A)...」を選びます。 「MS-DOS の起動ディスクを作製する(M)」 にチェックを付け、開始(S)をクリック。 警告が出るがOKします。 作業が始まり、プログレッシブバーが進んでいきます。完了すると、このメッセージが出ます。以上でDOS起動ディスクが完成です。 |
3.エクスプローラなどを使って、DOS起動ディスクに editbini.exe を追加してください。もし追加する分だけのサイズがFDに残っていない場合は、要らないファイルを削除してサイズを確保するか、あるいは editbini.exe
単独でもう1枚別のフロッピーディスクに書き込んでも良いです。
4.完成したフロッピーディスクを起動しないPCのフロッピーディスクに装填し電源を入れます。(BIOSの設定で起動順位をFD優先にしておいてください。普通は何もしなくてもそうなっているとは思います。) 暫くするとDOSが起動してプロンプトが点滅します。(editbini.exe
だけ2枚目のディスクにした場合は、この段階で2枚目のディスクに入れ替えてください。) 以下の画面のようにeditbini とキーボード入力し、Enter
キーを押します。
5.おそらく数分待つ必要がありますが、以下のような画面になります。この画面の例ではHDDが1台のみですが、複数台存在すれば、認識した台数分だけ表示されます。適切なHDDを選んでEnter
キーです。
6.以下のようにパーティションが表示されます。ここでも適切なものを選び、Enterキーです。
7.EDITINIは選んだNTFSパーティションの中から、boot.ini を探しだし、見つかれば以下のように内容を表示します。右端が切れて表示されていますが、矢印キーでスクロールさせれば、きちんと全て認識していることが判ります。この画面上で、普通のテキストエディタと同じ操作で自由に書き換えられます。
8.F1キーを押すとキー設定のヘルプが出ます。マウスは使えないのでキーボードのみでの入力となります。しかし実際には、アルファベットキー・数字キー・矢印キー・Deleteキー・BackSpaceキーのみで用が足りるので、覚える必要は無いでしょう。(Ctrl
- S キーでセーブですが、これも無理にこの段階でセーブしなくてもよいので不要でしょう。)
9.修正が完了したら、F10キーで終了します。このとき、以下のように変更を保存するか尋ねられるので、Yキーを入力して確定しましょう。あとは、フロッピーディスクをFDドライブから抜いて再起動すればOKです。
フロッピーディスクからブートできないと、ここまでの方法は使えません。CD-Rからブートする方法を使いましょう。
ただし、CD-R版緊急起動ディスクの時のように、わざわざ自分で苦労して作る必要はありません。
【ULIMATE BOOT CD】にEDITBINI が含まれています。【ULTIMATE BOOT CD】 についてはこちらをご覧下さい。EDITBINI が起動してしまえば、使い方は同じです。
以上、EDITBINIに関して紹介しました。
当サイトの起動トラブル関連のコーナーは、多少スキルのある方が対象なのですが、このページに関して言うと、かなりハードルが低いと思います。ただし最低限、正しいboot.ini
の書式については理解しているいる必要があります。
最初にも書きましたが、boot.ini が原因のトラブルは比較的頻繁に起こるようです。また、トラブルはユーザーのスキルと関係なく起こりえます。そういった意味では、このページの存在意義も多少あるのではないかと考えています。
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